マイアミ・マーリンズを“事実上の戦力外”となり、傘下マイナーに残留した韓国人投手コ・ウソク（25）が、残留後2度目の登板で失点を喫した。
マーリンズ傘下マイナーAAAのジャクソンビル・ジャンボシュリンプに所属するコ・ウソクは、6月10日（日本時間）に行われたシャーロット・ナイツ（シカゴ・ホワイトソックス傘下）との試合で8回から4番手として登板し、1.1回を投げて2被安打、1四球、1死球、3奪三振の1失点を記録した。
なお、試合は7-4でジャンボシュリンプが勝利した。
コ・ウソクは8回二死の場面で、ジョージ・ソリアーノ（25）に代わってマウンドに上がった。
しかし、登板するやいなやピンチに追い込まれ、失点した。1人目の打者チャッキー・ロビンソン（29）に初球目のカットボールを左前に打ち返されると、後続のウィルマー・ディフォ（32）に四球を与え、二死一、二塁の危機に追い込まれた。
結局、3人目のウィントン・バーナード（33）には4球目に投じた88.9マイル（約143km）のカットボールを中前に返され、適時打を許した。
それでも、ピンチが続くなかでザック・レミラード（30）相手に4球連続でストレートを投じ、空振り三振に仕留めて8回を終えた。
9回裏には、ナイツ先頭打者で元埼玉西武ライオンズのマーク・ペイトン（32）を二ゴロに誘うと、後続の カルロス・ペレス（27）に死球を許したが、続くブライアン・ラモス（22）を三振、ジャレッド・ウォルシュ（30）を空振り三振で処理し、試合を終えた。
この日、コ・ウソクは31球を投げ、球種はストレート18球、カットボール7球、スライダー3球、カーブ3球と投げ分けた。
ストレートの最速は93.3マイル（約150.2km）を記録。平均球速は92.5マイル（約148.9km）だった。
パドレスに続きマーリンズも…コ・ウソクに“未練なし”
コ・ウソクは最近、“屈辱の時間”を余儀なくされた。
マーリンズは5月31日、コ・ウソクを40人ロースターからDFAとしたことを発表した。テキサス・レンジャーズから獲得したショーン・アンダーソン（29）を登録するため、コ・ウソクを事実上の戦力外としたのだ。
DFAとなったコ・ウソクは、1週間でマーリンズ以外のMLB29球団がクレーム（獲得申し出）がなければ、フリーエージェント（FA）として市場に出るか、マーリンズ傘下のマイナーリーグ球団所属になるしか手段がなかった。
結局、獲得を希望する球団が現れなかったことで、コ・ウソクは傘下マイナー所属選手となった。
今年1月、サンディエゴ・パドレスと2年総額450万ドル（日本円＝約6億4000万円）で契約したコ・ウソク。しかし春季キャンプやマイナーで目立った活躍を見せられず、5月4日にルイス・アラエス（27）獲得のための1対4トレードによってマーリンズへ移籍した。
そして、今回のDFAの過程を見ても、マーリンズもコ・ウソクに大きな“未練”がないことが再確認できた。
マイナーに残留し、メジャー昇格に挑むコ・ウソクは、8日のナイツ戦では1回1奪三振無失点の好投を見せた。しかし、2日ぶりの登板試合では失点を喫するなど、満足なパフォーマンスは見られなかった。
現在、コ・ウソクのマイナーAAAにおける防御率は「3.18」まで上昇している。
◇コ・ウソク プロフィール
1998年8月6日生まれ。韓国・仁川出身。身長180cm。韓国のプロ野球選手。高校卒業後の2017年にLGツインズでプロデビュー。2019年シーズンに韓国プロ野球KBOリーグ史上最年少30セーブ（21歳1カ月7日）を達成すると、2022年シーズンには42セーブでセーブ王に輝き、韓国プロ野球史上19人目の通算100セーブに到達。2024年1月にサンディエゴ・パドレスと契約するも、開幕直前にロースターを外れ、メジャー昇格がないまま同年5月にトレードでマイアミ・マーリンズに移籍した。韓国代表としては2019年プレミア12、2021年東京五輪、2023年WBC、杭州アジア大会に出場。2023年1月、元中日ドラゴンズのイ・ジョンボム（李鍾範）の娘で、イ・ジョンフ（サンフランシスコ・ジャイアンツ）の妹であるイ・ガヒョンと結婚した。
