収賄疑いで塩田前石川町長を再逮捕 ビールや茶、42万円相当受領か

塩田金次郎容疑者

 土木会社の2人、贈賄容疑

 石川町発注の公共工事入札を巡る官製談合事件で、秘密事項の設計額を漏らし、見返りとして瓶ビールなどの物品を受けたとして、福島県警捜査2課や石川署などは10日午前、収賄の疑いで前石川町長の塩田金次郎容疑者(76)=同町形見字道橋=を再逮捕した。また贈賄の疑いで、同町の土木会社「志賀建設」元顧問の無職関根徳夫容疑者(69)=同町字境ノ内、元役員のコンサルタント業添田保雄容疑者(63)=平田村中倉字見上=を再逮捕した。逮捕はいずれも3度目。

 塩田容疑者の再逮捕容疑は、町発注の各種工事の入札で、関根、添田両容疑者に秘密事項の設計額などを漏らし、謝礼として2019年10月~23年3月末の間、瓶ビールや缶ビール、お茶など計42万円相当の物品を受けた疑い。県警は捜査に支障があるとして3人の認否を明らかにしていない。

 捜査関係者によると、塩田容疑者が業者側に設計額などを漏らし、見返りを受けたのは19~22年度に入札が行われた町発注の橋や道路の土木工事など約10件。認定こども園の用地造成工事なども含まれ、設計額と指名競争入札の参加者を漏らしたという。県警は、ほかの入札でも情報を漏らし、物品を受け取っていないかなどを慎重に調べている。

 県内の市町村長が贈収賄事件で逮捕されたのは、町職員採用を巡る贈収賄事件で06年7月に当時の石川町長が逮捕されて以来。石川町は10日、塩田容疑者の収賄容疑での再逮捕を受け「再発防止に向けた対策と入札制度などの見直しの検討を進め、町民の町政に対する信頼回復に向けて取り組む」とコメントを発表した。

 3人を追起訴

 地検郡山支部は10日、すでに起訴されている町発注の道路工事に続き、認定こども園の用地造成工事の入札でも秘密事項の設計額などを漏らしたとして、官製談合防止法違反などの罪で塩田容疑者、公契約関係競売入札妨害の罪で関根、添田両容疑者を追起訴した。

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