「大きくなって帰ってきてね」小学生が放流したのは、あの高級食材の稚魚400匹

バケツから一斉にウナギの稚魚を放流する児童たち(宮津市大垣)

 京都府宮津市大垣の大垣海岸で5日、小学生らがウナギの稚魚約400匹を阿蘇海に放流した。稚魚をつかんだり持ち上げたりして命の感触を確かめてから海に放ち、成長を願った。

 漁師の坂根定男さん(75)が地元の海や漁について伝えようと考え、府中小や日置小、吉津小の1年生16人が参加した。坂根さんは漁に使う道具を見せて「餌を入れてふたを閉め、一度中に入ると出られない」と仕組みを紹介。成長を待つため、放流から5年以上たったウナギを捕っていることを説明した。

 児童たちはトロ箱に入った体長約20センチの稚魚400匹に触れた後、「大きくなって帰ってきてね」とバケツから海に放った。男児の一人(6)は「口のところがパクパクしていてかわいかった」と話した。

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