iPhoneをMacで操作できる「macOS Sequoia」発表

Appleは6月11日、今秋リリース予定の「macOS 15 Sequoia」を開発者会議「WWDC」で発表した。「Apple Intelligence」によるオンデバイスAIのおかげで、より自然で文脈に即したパーソナルな「Siri」を搭載している。

AppleがmacOS Sequoiaについて最初に紹介した新機能は「iPhoneミラーリング」だ。これはMacにiPhoneの画面をミラーリングし、操作できるようにする連係機能。Macのトラックパッドとキーボード、マウスを使って、iPhoneのアプリを開いたり操作したりできる。

また、MacとミラーリングされたiPhoneとの間でファイルをドラッグ&ドロップすることも可能だ。iPhoneはミラーリング中にはロックされるため、誰かに使われる心配はない。Macの通知と一緒にiPhoneの通知も表示されるため、デバイスを行き来する頻度が減るはずだ。

マルチタスクを容易にするウィンドウの自動整列機能や、新しい「パスワード」アプリも導入される。ブラウザー「Safari」には、経路や要約、クイックリンクなど、関連するウェブ上の情報を見付けやすくする「ハイライト」が追加される。「リーダー」モードでは要約や、長めの記事には目次が表示されるようになる。

「FaceTime」や「Zoom」でビデオ会議をする際には、画面を共有する前にプレビューできるようになる。また、FaceTimeのほか、Webexなどのサードパーティー製アプリで背景を置き換えることが可能になるため、予備の寝室や散らかったキッチンで会議をしていることを隠せる。

Apple Intelligence

Apple Intelligenceは、macOS Sequoiaのさまざまな場所で利用できるようになる。最も顕著な点として、より高性能で状況認識能力に優れた新バージョンの「Siri」を支えている。

Siriはより自然な言葉を理解できるようになり、画面に表示されている内容を認識して、ユーザーの行動とより関連性の高い回答ができるようになる。Siriに文字を入力することも可能だ。これは、画面上の小さなキーしかない「iPhone」と異なり、キーボードが目の前にある「MacBook」では特に役立つだろう。Apple Intelligenceの能力を超える質問については、AppleとOpenAIの新たな提携により、「ChatGPT」のLLMにアクセスできる。

また、Apple Intelligenceは、「メール」「メモ」「Pages」およびサードパーティー製アプリで、文章の書き直し、校正、要約という形で文章作成を支援する。

メッセージなどのアプリに組み込まれた画像生成機能「Image Playground」では、アニメーション、イラスト、スケッチの3つのスタイルから選んでAIを使って画像を生成できる。

「写真」アプリでは、自然言語を使って画像や動画を検索したり、簡単な説明文をもとにムービーを作成したりできる。また、新しいクリーンアップツールを使えば、写真の背景から不要なオブジェクトを削除できる。

macOS Sequoiaのパブリックベータ版は7月にリリースされ、正式版は今秋に無料で提供予定だ。

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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