全国のちょうず鉢紹介 農業真島さん 3年かけ撮影、一冊に

ちょうず鉢を紹介する書籍を出版した真島さん

 大山町加茂の農業、真島国博さん(81)が、全国のちょうず鉢を紹介する書籍「日本の手水(ちょうず)鉢をみる」を出版した。北は青森県から南は鹿児島県まで全国67カ所を巡り、撮りためたちょうず鉢の写真を掲載した。

 手を洗い清めるのに使うちょうず鉢。コロナ禍を機に、日本のもてなし文化の象徴として若い頃から関心を持っていたちょうず鉢の撮影を思い立ち、3年かけて全国の豪農・豪商の旧邸宅などを巡った。

 積雪地帯には珍しく多くのちょうず鉢が置かれていた新潟県の旧飯塚邸や、現在も使われているのではと思わせるほど管理が行き届いた山口県の菊屋家住宅のちょうず鉢などが特に印象に残ったという。書籍では訪れた場所ごとに特徴を紹介しており、多種多様なちょうず鉢が庭園と調和した風景が楽しめる。

 書籍は非売品。名和公民館(同町御来屋)やコミュニティーセンターなわほ(同町加茂)などで閲覧できる。真島さんは「本にすることで海外の人もちょうず鉢に関心を持ち、観光の幅も広がるのではないかと思った。改めて日本の文化を見てもらい、大いに関心が高まれば」と話した。

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