洋画家・町田さんら芸術院賞 両陛下、授賞式出席

天皇、皇后両陛下が出席された第80回日本芸術院賞の授賞式で表彰される洋画家の町田博文さん(中央)=10日午前、東京・上野の日本芸術院会館(代表撮影)

天皇、皇后両陛下は10日、東京・上野の日本芸術院会館を訪れ、優れた芸術活動を表彰する第80回日本芸術院賞の授賞式に出席された。茨城県笠間市在住の洋画家で日展理事の町田博文さん(70)ら9人が受賞した。建築家の隈研吾さん(69)らとともに、野村萬院長から賞状と賞牌(はい)が授与された。

天皇陛下はあいさつで祝意を伝え「今後とも人々が心豊かな生活を送り、活力ある社会を築く上で、芸術文化が重要な役割を果たしていくことを心から願う」と述べた。新型コロナウイルス禍での苦労もねぎらった。

町田さんは、昨年秋の第10回日展に出品した「雪はれる」で受賞した。式では日本芸術院会員や親族らが見守る中、両陛下の前に進み出て、野村院長から賞状・賞牌を受けた。

終了後は都倉俊一文化庁長官との懇談の場が設けられ、都倉長官は町田さんの受賞作の舞台、オーストリア・ザルツブルクの思い出などを語った。

受賞者のうち、隈さん、小説家の多和田葉子さん(64)、能楽ワキ方福王流十六世宗家の福王茂十郎さん(80)の3人は特に業績が顕著として恩賜賞も贈られた。

町田さんのほか5人は日本画家の大矢紀さん(88)、工芸家の山岸大成さん(68)、書家の高木厚人さん(70)、小説家の桐野夏生さん(72)、長唄唄方の杵屋勝四郎さん(65)。

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