複数の感染症が流行 連鎖式にかかる「感染症ドミノ」 専門家「ペーパータオルで感染予防を」

夏に向けたこの時期、複数の感染症が流行を迎えるといいます。気を付けたいのは、こうした感染症に次々にかかってしまう「感染症ドミノ」です。

愛知県で増えている「ヘルパンギーナ」。 最新の1週間あたりの感染報告数は、前週と比べ、1.5倍に。 また、口や手足などに現れる水疱性の発疹が特徴の「手足口病」も。 おととしは7月頃からピークを迎えていましたが、感染者数が少なかった去年を挟み、今年は1カ月ほど前から急激にその数を増やしています。 いわゆる“夏風邪”と呼ばれる感染症が急拡大しているんです。 「梅雨入り前」にも関わらず、早くも”夏風邪”に注意が必要に。

「感染症の流行する時期が早まっている」

名古屋市熱田区にある「今泉クリニック」で聞いてみると―― Q.夏風邪の流行時期に変化は 「手足口病に関しては、もう少し後ではやっていた。去年だと8月9月くらい。いまは6月初めくらいからはやりだしたということで、感染症の流行する時期が早まっている」(今泉クリニック 今泉勲院長) このクリニックでも、子どもを中心に感染症の症状で受診する患者が多くなっているそうです。 1歳の男の子。先週土曜日に発症し、症状が治まらず薬をもらいに来たといいます。 「保育園は手足口病がはやっていて、みんななっているらしい。この子はいつももらってくる」(1歳の男の子の親) Q.なぜ前倒しに 「なかなか難しいが暑さで考えると、去年に比べると気温が高め。夏の時期が早くなったのもある」(今泉院長)

感染症ドミノに警戒

“夏風邪”の早期流行だけではありません。 今泉院長が警戒感を強めているのが、一つの感染症にかかった後、次々と別の感染症にかかってしまう連鎖「感染症ドミノ」です。 「何かの感染症になって良くなった後でも、免疫が整っていない時に他の感染症になる。連鎖式にいろいろな感染症にかかってしまう。感染症ドミノと言われる」(今泉院長) こちらの1歳の子どもは風邪をひいた後、調子を取り戻す前に「手足口病」に感染したといいます。 「鼻水とせきが先週金曜日から出ていて、抵抗力が弱っていたのかな。小さいので気を付けていても病気にかかる時はかかっちゃう。抵抗力が弱まらないように、こちらも気を付けてあげたいと思います」(1歳の女の子の親) 気を付けたい感染症はほかにも。 例えば溶連菌感染症は、例年11月ごろに流行しますが、愛知県内の最新の報告数は去年の同時期と比べて、約2.8倍になっているなど、いま、複数の感染症の報告例が上がっています。

感染症ドミノにならないためには――

感染症ドミノにならないために、どのようなことに気を付ければいいのでしょうか―― 「保育園に子どもを預けている場合は、少し調子が良くなったからといって無理して行かせてしまうと、免疫がしっかり回復していないと新しい感染症にかかってしまう。タオルもすごく重要。タオルをたくさんの人で使ってしまうとそこで感染が広がる。ペーパータオルを使うとか、感染予防していくことが必要」(今泉院長)

© メ~テレ(名古屋テレビ)