愛の架け橋、成果着実 やまがたハッピーサポートセンター・23年度見合い、交際成立過去最多

 県や市町村などで組織し独身者の出会いを支援する「やまがたハッピーサポートセンター」は10日、同センターの仕組みを利用した2023年度の見合いが861件、交際成立が333件で、共に大幅に増え過去最多になったと明らかにした。県はスマートフォンなどで相手探しができるマッチングシステム導入、新型コロナウイルス感染症5類移行などが要因と分析。少子化加速を受け、会員増加やカップル支援を進め、成婚数を増やそうと懸命だ。

 厚生労働省が公表した人口動態統計(概数)では、県内の23年の婚姻数は6年連続で過去最少となる2971組。女性1人が生涯に産む子どもの推定人数「合計特殊出生率」も1.22と過去最低を更新した。若年女性の首都圏への流出などの課題に加え、コロナ禍による晩婚化・晩産化の加速が浮き彫りとなった。

 同センターは22年11月に新たなマッチングシステム「Ai(あい)ナビやまがた」を導入。山形、鶴岡、新庄、米沢の4市にあるセンター窓口への来所が必要だったプロフィル閲覧、見合い申し込みがスマホやパソコンから可能となった。登録料金は男女とも1万円。人工知能(AI)がお薦めの相手を紹介する機能も売りだ。

 新システムの利用が本格化した23年度、見合い件数は前年度比320件増で、それまで最多だった18年度の633件を大きく上回った。交際成立も同90件増えた。一方で23年度末の会員数は1260人で13人の微増。会員は7割が男性で男女比が大きく偏っており、女性の会員増加が課題だ。

 同センターは24年度、20~30代女性の登録料金を半額にするキャンペーンを検討する。市町村と連携した出張相談の拡充などもして会員数増加を目指す。また婚活に関心のある人向けにコミュニケーション力や外見を磨く「婚活力向上セミナー」を新たに開く。交際中の会員カップルにはボランティア仲人「やまがた縁結びたい」による伴走支援に力を入れる。これまで以上に成婚まで各場面でサポートを充実させる方針だ。

 この日は県庁で同センターの総会が開かれ、24年度は見合い件数900件を目指すなど事業計画が示された。県しあわせ子育て応援部は「この流れがより多くの成婚に結び付くよう寄り添った支援に努める。センターのPR、結婚の機運醸成にも注力する」としており、少子化進行に何とか歯止めをかけたい考えだ。

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