県内2銘柄、最高位獲得 世界最大品評会「IWC」日本酒部門、「世界一のサケ」選考に進む

(右)純米大吟醸酒の部・小嶋総本店(米沢)「東光純米大吟醸袋吊り十八」、(左)スパークリングの部・出羽桜酒造(天童)「出羽桜AWA SAKE」

 世界最大のワイン品評会「インターナショナル・ワイン・チャレンジ(IWC)2024」で日本酒部門の審査結果が公表され、本県の2銘柄が各カテゴリー最高位のトロフィーを獲得した。純米大吟醸酒の部を小嶋総本店(米沢市)が「東光純米大吟醸袋吊り十八」で、スパークリングの部を出羽桜酒造(天童市)が「出羽桜AWA SAKE」で制し、世界一の「チャンピオン・サケ」を決める最終選考に進んだ。

 東光純米大吟醸袋吊り十八は県産酒造好適米「雪女神」を精米歩合18%まで磨き、もろみを酒袋でつってしたたり落ちたしずくを集めた。雪解け水のような透明感や繊細な味わい、柔らかい舌触りが楽しめる。

 小嶋総本店の小嶋健市郎社長は「最も出品数の多いカテゴリーで最高評価を得られて大変光栄。雪女神で受賞でき、酒米の生産者との取り組みも含め評価を得たようで二重の喜びだ」とした。4合瓶(720ミリリットル)の桐箱入りで価格は1万1千円。

 出羽桜AWA SAKEも県産酒造好適米の「出羽燦々(さんさん)」を使って醸した。瓶内2次発酵の炭酸ガスにより、クリアな味わいに仕上がった。きめ細かい泡が心地よい口当たりを生み、優しい甘さと華やかな香りも特徴の一つだ。

 出羽桜の仲野益美社長は「スパークリングという今までと違うカテゴリーで受賞し、技術の奥深さと意義を評価された。日本酒の魅力を伝えるツールにしたい」と話した。4合瓶で価格は箱なしが4950円、箱ありが5500円。

 このほか大吟醸酒の部でトロフィーに次ぐ高い評価を得て、産地の地名を冠した山形トロフィーに佐藤佐治右衛門(庄内町)の「大吟醸やまと桜金ラベル」が選ばれた。

 今年の日本酒部門は10カテゴリーに対し、392社から計1504銘柄が出品された。英国で開かれた審査会で17カ国65人が審査し、本県の6銘柄を含め計93銘柄が金メダルを得た。トロフィーは各カテゴリーの金メダル受賞酒のうち、最高評価を得た酒に贈られた。チャンピオン・サケはトロフィー受賞酒から選ばれ、7月に発表される。

 ◇本県酒蔵の金メダル受賞銘柄(★はトロフィー、◎は山形トロフィーの受賞酒)

 ▽純米大吟醸酒の部=★東光純米大吟醸袋吊り十八(小嶋総本店)百光別誂(楯の川酒造)▽大吟醸酒の部=羽陽錦爛大吟醸雪女神33(錦爛酒造)◎大吟醸やまと桜金ラベル(佐藤佐治右衛門)初孫大吟醸(東北銘醸)▽スパークリングの部=★出羽桜AWA SAKE(出羽桜酒造)

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