「将来世代のため全力で」と知事 岡山県議会開会 少子化対策へ決意

6月定例岡山県議会で議案の提案理由を説明する伊原木知事

 6月定例岡山県議会は11日開会し、44億9800万円の2024年度一般会計補正予算案など10議案を一括上程した。伊原木隆太知事は提案理由説明で、県の合計特殊出生率(女性1人が生涯に産む子どもの推定人数)が1.32と18年ぶりに過去最低となったことを受け、「一層厳しさを増す少子化の現状への危機感を新たにし、将来世代のために全力で取り組みたい」と少子化対策への決意を改めて表明した。

 伊原木知事は4月に公表した県民意識調査で希望する子どもの人数が2.06人だったことを踏まえ、「まずは結婚の希望をかなえ出生数に響かせるため、結婚支援の取り組みを重点的に進める」と説明。市町村などと連携した出会いの場の創出や妊娠出産、育児への切れ目のない支援策の積極展開によって活路を見いだすと強調した。

 県政運営の羅針盤とする次期中期行動計画(25~28年度)についても「現行計画の性格を維持しつつ、待ったなしの課題である少子化対応を踏まえて策定する」との姿勢を示した。

 知事はまた、インバウンド(訪日客)誘致に向けたタイでのトップセールスを7月に行うとし「誘客拡大と経済交流の促進に取り組んでいく」と述べた。

 6月定例会の会期は7月3日までの23日間。14日に代表質問を行う。

6月定例岡山県議会の主な議案

 ◇44億9800万円の2024年度一般会計補正予算案。25年の大阪・関西万博に伴うインバウンド(訪日客)の増加を見据え、自動チェックイン機といった宿泊事業者の設備投資に対する補助、残業の上限規制でドライバー不足が懸念される「24年問題」を受けた貨物運送事業者への支援費などを計上

 ◇SNS(交流サイト)などを通じ、自らの裸の画像や動画を送信させられる「自画撮り」の被害防止策として、青少年に画像などの提供を求める行為に罰則を科すための岡山県青少年健全育成条例の一部改正案

 ◇県が管理する岡南飛行場(岡山市南区浦安南町)で停留料を長期に滞納している小型機の使用者らを相手に、未納金の支払いなどを求めて提訴するための関連議案

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