マカオ、2024年4月の新規住宅ローン承認額が前月から53.7%増

マカオの新興住宅街にあたるタイパ新城区の町並み(資料)=2023年10月本紙撮影

 マカオ金融管理局が6月11日に公表した今年(2024年)4月の住宅及び商業物件向けローン関連統計によれば、対前月の新規ローン承認額は住宅不動産向けが2ヶ月連続増、商業不動産向けが3ヶ月ぶり増だったとのこと。

 今年4月の新規住宅ローン貸付承認総額は前月から53.7%増の13.9億パタカ(日本円換算:約272億円)。このうち、マカオ居民(=マカオ居民IDカード保有者)向けが前月から52.4%増の13.8億パタカ(約270億円)で、全体の99.0%を占めた。非居民向けについても1300万パタカ(約2.5億円)まで増加した。直近3ヶ月でみると、今年2〜4月の新規住宅ローン貸付承認額の月次平均値は9.9億パタカ(約194億円)で、今年1〜3月との比較で7.0%増。

 新規商業物件向けローン貸付承認額は73.5%増の12.4億パタカ(約243億円)。このうち、マカオ居民向けが前月から4.4%増の6.6億パタカ(約129億円)で、全体の53.4%を占めた。非居民向けについては5.8億パタカ(約114億円)まで増加。直近3ヶ月でみると、今年2〜4月の月次平均値は9.7億パタカ(約190億円)で、今年1〜3月との比較で6.0%減。

 今年4月末時点の住宅ローン融資残高は前月から0.4%減、前年同月から3.8%減となる2264.6億パタカ(約4兆4364億円)。マカオ居民が占める割合は95.5%。マカオ居民向けの住宅ローン融資残高は前月から0.2%減、非居民向けについては2.7%減。

 商業物件向けローン融資残高は期内に複数の大口融資が完済されたことを受けて前月から1.0%減、前年同月から3.4%減となる1561.7億パタカ(約3兆0594億円)。マカオ居民が占める割合は93.4%。商業物件ローン融資残高はマカオ居民向け、非居民向けとも前月から1.0%減。

 今年4月末締めの住宅ローン延滞率は3.6%で、前月から横ばい、前年同月から2.9ポイント上昇。商業物件向けローン延滞率は3.5%で、前月から横ばい、前年同月から2.0ポイント上昇。

 マカオでは昨年1月初旬のウィズコロナ転換を機にインバウンド市場の回復が進み、経済波及効果が期待されているが、不動産市場については相次ぐ利上げといった懸念材料も存在。このところ取引件数、平均平米単価とも振るわない状況が続いている。今年の年初からは不動産価格抑制策の一部緩和もスタートしたものの、目立ったかたちでのポジティブな影響は見受けられず、4月に入って以降、政府が不動産価格加熱抑制策を全面撤廃する方針を明らかにし(4月20日施行)、以降の動向が注目される。

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