京都市のワクチン電話業務で3千万円詐取疑い 元社員2人逮捕 実働時間水増し

京都府警

 京都市の新型コロナウイルスワクチン接種コールセンターの委託料を巡る不正請求問題で、勤務表を改ざんするなどして実働時間数を水増しし、京都市から約3千万円をだまし取ったとして、京都府警捜査2課などは11日、詐欺の疑いで、委託業者「日本トータルテレマーケティング」(東京都)の元社員ら男2人を逮捕した。捜査関係者への取材で分かった。

 捜査関係者によると、2人は共謀し、2022年9月分の委託料について、他の自治体から請け負っていたコールセンター業務の勤務表を改ざんして京都市から委託された業務分と偽って提出し、約3千万円をだまし取った疑いが持たれている。2人は当時、同社の社員だったという。

 同社の不正請求問題を巡っては、弁護士ら第三者でつくる調査委員会が今年3月、京都市への過大請求が計8億5700万円に上ることをまとめ、同社が公表した。同社は委託料の請求方法を誤認し、料金を過大に請求していた事実が判明したが、問題を隠蔽(いんぺい)するためコールセンター業務の勤務表を改ざんし、市に提出する実働時間数を水増ししたという。

 同社は広告大手・博報堂の傘下で、主にオペレーター業務の人材派遣業を展開している。京都市は21年2月から23年3月まで、新型コロナワクチンの予約受け付けや相談業務を同社に委託していた。同社は今年3月の会見で、過大請求して得た委託料の大半を返還しているとした。

日本トータルテレマーケティングの事業部門が入るビル(6日、大阪市北区)

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