レアルFWヴィニシウスへ人種差別→有罪判決 FIFA会長が声明「これは前向きな一歩だ」

レアル・マドリードのヴィニシウス・ジュニオール【写真:ロイター】

FIFA会長のインファンティーノ氏が自身のSNSで声明

国際サッカー連盟(FIFA)のジャンニ・インファンティーノ会長がスペイン1部レアル・マドリードのブラジル代表FWヴィニシウス・ジュニオールに対する人種差別行為について自身のインスタグラムを通じて声明を発表。当該行為を行ったファンに有罪判決が下されたことに「これは前向きな一歩だ」と語った。

ヴィニシウスは2023年5月21日に行われたメスタージャでのバレンシア戦の後半途中にスタンドから人種差別的なチャントを浴びせられ、審判に対して強く抗議し、試合がおよそ10分中断する一幕があった。試合後には自身のSNSで「これは初めてでも、2回目でも、3回目でもない。人種差別はリーガでは普通のことだ。リーグも連盟もそれが普通だと思っているし、対戦相手もそれをするように仕向けている」と声を上げていた。

ラ・リーガは現地時間6月10日、ヴィニシウスへの人種差別行為を行ったバレンシアファン3人に対して禁固刑8か月の有罪判決が下されたと発表。また、この3人はラ・リーガおよびスペインサッカー連盟管轄の試合に2年間入場禁止となる。

そして、FIFAのインファンティーノ会長はSNS上で「2023年5月、スペインのラ・リーガの試合でヴィニシウス選手に向けられた人種差別的行為に対し、当局が厳格な措置と判決を下したことを嬉しく思います。これは前向きな一歩です」とコメント。同会長はかねてから人種差別に対して厳罰を設けるべきと主張していたこともあり、あらためて人種差別的行為の排除に向けて厳しく取り組んでいくと強調した。

「バンコクで開催されたFIFAの総会でも述べていたように、我々はスタジアムピッチ上で起きているこのような行為を受け入れることはできません。フットボールの世界で人種差別行為を行う人々に対する我々のメッセージは明確です。“我々はあなたたちを必要としていない”。このような人々は排除される必要があり、彼らは我々のコミュニティーの一部でも、フットボールの一部でもありません。

この判決はFIFAの5つ行動の柱の1つである刑事告発を示しています。私たちはグローバル・フットボールとして団結し、世界のすべての国で人種差別が違法行為として認識されることを推進し、スペインのようにすでに違法行為となっている場所では、それ相応の厳しさをもって起訴されることを推し進めていきます」(FOOTBALL ZONE編集部)

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