手触り探して、耳を澄ませて…パパママが赤ちゃんの世界を疑似体験 「積極的に触れさせていいかも」沖縄・那覇市

ベイビーシアターを体験する親子ら=5月24日、那覇市・樋川みらいこども園

 【那覇】赤ちゃんと大人が一緒に演劇を体験する「ベイビーシアター」を取り入れたワークショップが5月24日、那覇市の樋川みらいこども園で開かれた。「あかちゃんと同じ世界をみてみよう! はじめてのベイビーシアター講座」と題し、2歳までの子とその親が、手で触れる感触や音などを一緒に体感して楽しんだ。(社会部・勝浦大輔)

 赤ちゃんと同じ視点を大人が経験し、親子のコミュニケーションを深めることが狙い。全国でベイビーシアターの普及活動をしている「BEBERICA theatre company」代表の弓井茉那さん(39)が講師を務めた。

 参加した親子は、「ふわふわ」や「ツルツル」などの手触りを探してじっくりと感触を味わったり、目を閉じて耳を澄ませて音を感じたりした。弓井さんは「赤ちゃんの世界に入り込むことを大事にしている」と話し、赤ちゃんが触覚で「物を感じる」ことを疑似体験するものだと説明した。

 最後は部屋を暗くして目を閉じ、寝転がる参加者を前に「赤ちゃんがお母さんのおなかの中にいる時から出産まで」を描いた物語を、弓井さんがベイビーシアターで披露した。

 参加した子どもは動き回っていたが「その動作も演劇の一部になるのがベイビーシアター」と弓井さん。「親子で一緒に体験することでコミュニケーションや信頼関係が変わったり、気付きがあったりするといいなと思う」と話した。

 息子の青志(せいじ)ちゃん(2)と参加した嘉手苅由香利さん(35)は「普段、子どもはいろいろな物を触るが、もっと積極的に手を触れさせていいのかもしれないと、少し考え方が変わった」と気付きがあった様子だった。

 取り組みは那覇文化芸術劇場なはーとの「なはーとベイビーシアター・コミュニティプロジェクト」の一環。赤ちゃんを育てる保護者や、関わる大人たちのコミュニティーづくりなどを目的としている。7月から毎月、那覇市内の子育て支援センターなどでワークショップを開催し、継続的に活動する。

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