相鉄/「THE YOKOHAMA FRONT」商業エリアオープン、再開発の総事業費468億円

相鉄グループの相鉄アーバンクリエイツと相鉄ビルマネジメントは6月20日、「THE YOKOHAMA FRONT(ザヨコハマフロント)」(横浜市神奈川区)の商業エリアをオープンする。11日メディア向け内覧会を開催した。

「THE YOKOHAMA FRONT」は、「横浜駅きた西口鶴屋地区第一種市街地再開発事業」として、横浜駅にペデストリアンデッキで直結する地上42階(約178m)の商業施設、ホテル、住宅、事業共創施設からなる高層ビル。日本で初めて認定された「国家戦略住宅整備事業」として、グローバル企業の就業者などの生活支援に必要な機能も持つ複合施設で、総事業費は約468億円となっている。

<横浜らしさを生み出す施設に>

※左から相鉄ビルマネジメント新井貴志氏、相鉄アーバンクリエイツ青山氏、東急横内氏、ザ・スプラジール鈴木美央支配人

1~4階に商業施設、5階と13~41階に459戸を展開するレジデンス「THE YOKOHAMA FRONT TOWER」、4階と6~12階にはホテル・サービスアパートメント「相鉄ホテルズ ザ・スプラジール 横浜」、最上階の42階には事業共創施設「Vlag yokohama(フラグヨコハマ)」が登場する。

相鉄アーバンクリエイツ横浜駅西口事業部開発担当の青山敏之課長は「横浜駅周辺大改造計画・エキサイトよこはま22で進む横浜駅周辺の再開発事業において、鶴屋地区でTHE YOKOHAMA FRONTが快適・利便と繁華・愉楽というデュアルバリューを創造する開発を行った。ここから、横浜らしさを生み出していきたい」と意気込みを語った。

横浜駅は6社11路線の鉄道が利用でき、成田・羽田空港に直行するリムジンバスのターミナルもあるアクセス良好の立地。横浜駅からは、ペデストリアンデッキ「はまレールウォーク」で直結している。今後、タクシー乗り場も設置し、横浜駅前のタクシー乗降場の分散にも貢献する。

■商業施設に15店舗オープン

<1階は路面店中心>

商業施設は、全体で約4859.5m2。3階に国家戦略住宅整備事業と連携した生活支援施設として、多言語対応クリニックモール、子育て支援施設が5月1日先行開業した。1・2・4階に飲食13店舗、サービス2店舗を誘致。6月20日はそのうち10店舗がオープンし、その他の店舗は7月以降順次出店する予定だ。

商業施設のコンセプトは、1階は地域に向けて開く「路面店」、交流促進フロアとした。飲食店の多い鶴屋地区の界隈性を取り込んだ飲食店がそろう。

<DUMBO PIZZA FACTORY>

1階に居酒屋「SAKE BASE モロツヨシ」、イタリアンバル「DUMBO PIZZA FACTORY」、回転ずし「スシロー」がオープン。7月以降、「トラットリア セレーナ」、海鮮居酒屋「トロ政」が開業する。

2階は、「はまレールウォーク」を主要流入導線と想定。デッキにせり出すにぎわいをもたらす飲食店を集めた。

<台湾料理 京鼎樓 HANARE>

「台湾料理 京鼎樓 HANARE」、ハンバーグ「花より、ハンバーグ。」、スイーツカフェ「花より、カフェ。」、「喫茶室ルノアール」、ビアバル「横浜ベイブルーイング」、買い取り販売「ロデオドライブ」が出店する。7月以降、和食居酒屋「modern Japanese “AMANE”」、スペインバル「LIZARRAN」が登場する。

<花より、カフェ。>

4階にヘアサロン「Vif AVEDA」、「相鉄ホテルズ ザ・スプラジール 横浜」のロビー機能を担う「THE CITY BAKERY」(26席)がオープンする。「酢重ダイニング&酢重の鮨」も出店しており、アッパービジネス層の飲食、ハレの日需要にも対応する。

<ロビー機能を担うTHE CITY BAKERY>

7月以降、鉄板焼き「plancha L」がオープンする計画。

<酢重ダイニング&酢重の鮨>

「相鉄ホテルズ ザ・スプラジール 横浜」(延べ床面積約9428.06m2、ホテル部分のみ)は飲食店以外は、客室221室、フィットネスコーナーで構成されている。

<長期滞在向けサービスアパートメントも用意>

■「Vlag yokohama」は事業共創の場を目指す

<Vlag yokohama>

「Vlag yokohama」は約1157.02m2のスペースに、会員制のワーキングラウンジ、プライベートオフィス、ホール&キッチン付きスタジオ、一般人も利用可能なカフェ&バーを備えている。

横浜のキープレイヤーが集い、横浜内外の人々や企業が、出会いや発見を通じて新たな価値を生み出す事業共創の場を目指す。

<一般人も利用可能なカフェ&バー>

施設コンセプトは「未来の兆し(=Vlag)あふれる共創ラウンジ」とした。

相鉄とともに、渋谷での共創事業の実績を持つ東急、UDSが運営する。相鉄、東急のコミュニティマネジャーが常駐し、多彩なイベント、取り組みで、横浜、神奈川県の課題解決につながるようなビジネスアイデアの創出、会員同士の共創を育みたい考え。

東急の都市開発本部 横浜都心担当の横内稔充課長は「海や自然に近い横浜には、東京にはない魅力を感じる人々が多くいる。今までローカルでの実験段階で止まってしまったビジネスアイデアも多く、ここでは東急、相鉄の沿線のアセットも生かしながら、実現させたい。企業や個人のビジョンを作成するから支援するイベントなどを企画している」と説明している。

なお、レジデンス部分は2022~2023年販売し、完売している。住民は50歳以上が多く、40%弱がグローバル企業で活躍しており、「国家戦略住宅整備事業」にふさわしい住民構成になっているという。

■THE YOKOHAMA FRONT(ザ ヨコハマ フロント)
所在地:横浜市神奈川区鶴屋町1-41、42(地番)
施行者:横浜駅きた西口鶴屋地区市街地再開発組合
用途:共同住宅(459戸)、店舗、ホテル、サービスアパートメント、集会場、駐輪場、駐車場
区域面積:約0.8ha
延床面積:約7万9082m2
商業施設面積:約4859.5m2
階数:地上43階、地下2階
構造・規模・高さ:鉄筋コンクリート造、一部鉄骨造、地下2階、地上43階 高さ約178m
駐車場:262台

■相鉄の関連記事
相鉄/横浜市「ゆめが丘ソラトス」129店舗が7/25オープン

© 株式会社流通ニュース