実力を示して海外でプロの道へ 女子サッカー選手の挑戦 「いろいろな人の夢のきっかけに」

山本麻裕選手

大学在学中に海外へ渡り、現在も国内外で活躍している女子サッカー選手が、ラジオ番組に出演。自身の経歴や考え方、今後の展望について語りました。

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東京都出身の女子プロサッカー選手、山本麻裕(やまもと・まひろ)さん。ちふれASエルフェン埼玉マリ(ちふれASエルフェン埼玉のアカデミー)を経て、東洋大学体育会サッカー部女子部に入部。当時掲げた目標、「絶対に海外でプレーする」を実現すべく、大学在学中に渡欧し、2022年3月から10月までの約8か月、スウェーデンのリーグでプレーした後、翌年は約半年間、なでしこリーグのASハリマアルビオンに在籍。今年は再び海外挑戦を試み、この6月からオランダでプレーする予定となっています。

海外でサッカーをしようと思ったきっかけは、高校時代にさかのぼります。「サッカーを始めたら、まずはみんな代表を目指すと思うのですが、中学生や高校生にもなると、現実的には考えられなくなってくる」と、自らの状況を分析。それでも、「高校生のときに、チームメイトが『卒業したら海外に行こうかな』と、ぼそっと言ったんです。それを聞いて『その選択肢もあるんだ!』と思った」と、新たな道を模索し始めます。

海外で活躍するプロサッカー選手になるという夢を定めた山本選手は、海外に行くタイミングについて、高校卒業後、または大学卒業後かの二択で迷ったといいます。結果的に、「まずはもっとサッカーを知りたい。高校のときに教わったコーチにまた教わりたい」と考え、東洋大学への進学を決心しました。

在籍中にチャンスが巡り、大学4年生になるタイミングでスウェーデンへ行くことに。新型コロナウイルスの影響によってオンライン授業になっていたこともあり、教授の協力を受けながら休学することなく講義を受けることができたそうです。

スウェーデンでは、言葉の壁があったものの持ち前のポジティブ精神を発揮。「聞き取れない、話せないのは当たり前。仕方がないし、伸びしろだし、頑張ろうと思ってノリで行った」と前向きな考え方を明かしました。

「サッカーを通じて、人とのつながりの大切さや、人を大切にすることの大切さを学べた」と語る山本選手。

「1人じゃ絶対に何もできない。今まで経験したことはどれも、人の支えがないとできないようなことばかりでした。皆さんがサポートしてくれているおかげで、やりたいことを好きなだけやらせてもらえている」と、周りへの感謝も忘れていません。

今後の展望については「オランダの1部リーグでプレーしたい」と、山本選手。「海外でプロサッカー選手になるには代表歴が大事になる」と述べつつ、「それでも、『代表歴がなくても実力を証明すればプロになれる』ということを証明して、日本の皆さんへの恩返しや、いろいろな人の夢のきっかけになれれば」と、前を向いていました。

さらにその先では、「海外と日本で積み上げてきたものすべてを融合し、いろいろな場所にチームを作る」というビジョンを掲げている山本選手。「小さいころから多くの選択肢を持てるような、こういう道もあるんだよというきっかけを与える存在になれたらなと思っています」と述べました。

※ラジオ関西『アスカツ!』2024年5月25日放送回より

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