創業100年超える京都市とイギリスの老舗が「強力コラボ」 伝統の技凝らした草履が誕生

京都の草履店「伊と忠」と英靴メーカー「JOHN LOBB」の技を結集した草履(京都市下京区・伊と忠京都四条本店)

 草履や和装バッグなどの製造販売を手がける老舗「創作京履物 伊と忠」(京都市中京区)と、英老舗靴メーカー「JOHN LOBB(ジョンロブ)」が協力して作った男性用草履が誕生した。足裏があたる草履台の部分は昔ながらの手作りの畳表で、側面の「巻」と鼻緒にジョンロブの牛革を使用。日英の老舗が脈々と伝えてきた手仕事の妙を凝縮した一足に仕上がっている。

 ジョンロブは1866年に英国で創業。4月に東山区内に京都店を開設したのを記念し、京都店オリジナル商品として1895年創業の伊と忠が制作した草履の販売を企画した。

 伊と忠にとっては普段用いることのない素材で草履をつくるため、職人技を可能な限り生かせるよう1年近くかけてデザインの検討を重ねた。ジョンロブの靴に使用される「銀付き」と呼ばれる良質な牛革は張りがあり、職人が特に苦心した点という。

 完成した草履は、25~28.5センチの範囲で3サイズあり、昔ながらの竹の皮を編んだ畳表の草履台とジョンロブのロゴ入りの黒いレザーの鼻緒が美しく調和している。伊と忠の伊藤智美専務は「昔ながらの手仕事を残しつつ新しいことに挑戦するジョンロブの姿勢に共感し、私たちもエネルギーをもらった」と、挑戦に手応えを感じている。

 草履は1足13万2千円。京都店(東山区新門前通大和大路東入ル)限定で販売している。

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