心臓移植見送り、23年に16件 学会調査、医師が手術態勢組めず

 日本心臓移植学会は11日、2023年に心臓の移植が見送られたケースが全国で16件あったとする調査結果を公表した。うち15件は移植の手術数が多い東京大で、医師が他の移植をするなど手術の態勢を組めないことが主な理由。移植の実施が一部の施設に集中していることが背景にある。

 オンライン会見を開いた学会の澤芳樹代表理事は「移植の実施施設を増やすほか、施設間の連携も必要だ」と訴えた。

 学会は6月上旬、心臓移植をする全国11施設で見送り件数を調査。内訳は東大15件、国立循環器病研究センター(大阪府)1件だった。

 23年の心臓移植数は115件あり、最多は国循の32件で、続いて東大の25件だった。

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