マンガの4つの王道パターンとは?物語を骨太にするポイント【テクニックでセンスを超える!プロが教えるマンガネーム】

王道のストーリーパターンに自分らしさを加えていく

面白いストーリーには根拠と法則があります。4つのストーリーのパターンを理解し、うまく活用しましょう。

ストーリーの基本となる4パターン

①事件が起きないパターン
主人公に目的を持たせるかすでに目的を持っていて、その目標達成をするのに奮闘する。

②事件が起きるパターン
主人公の日常が事件や非日常に巻き込まれ、そこから脱出するために行動をする。

③目的を持った主人公に事件が起きるパターン
ある目的を持った主人公に事件が起こり、自身の目的達成を果たすために事件の解決や介入を目指す。

④目的を持たず事件も起こらないパターン
日常を扱うストーリー。ストーリーの根幹である「テーマ」とそれに反する「アンチテーゼ」の対立構造を描くことで、一貫性を持つ、メリハリのあるストーリーになる。

ストーリーには、 大きく分けると4つの王道パターンがあり、 ほとんどの作品がこのパターンに当てはまります。

1つ目は主人公が目的を持ってその達成に向かって進んでゆく、 事件が起きない(目的の達成が主題の)パターン。

2つ目は主人公が何かしらの事件や非日常に巻き込まれ、 その状態から脱するために行動をする事件が起きるパターン。

3つ目はこれまで挙げた2つのパターンの複合で、ある目的を持っている主人公に事件が起きるパターンです。 ストーリーが散漫にならないように、 ここで発生した事件は主人公がもともと持っている目的と切り離さず、 綿密に関係している必要があります。

最後の4つ目は、 目的も特に決まっておらず事件も起こらない、 いわゆる日常を取り扱うパターンです。

このパターンでは達成や解決のために主人公が動くことがないため、 読者の好みが分かれるうえに下手をすると盛り上がりのない、 退屈なストーリーになってしまいます。しっかりと中身のある作品にするためには作品のなかに一貫性を持って現れている 「テーマ」 と、 その対比となる 「アンチテーゼ」 の対立構造を中心につくるとよいでしょう。

これらのストーリーのパターンに……
「障害」(目的達成や事件解決を阻むもの)
「対立」(ストーリー中で価値観の相反する2つのものの激突)
「葛藤」(テーマや行動に対するためらいの気持ち)
などの要素を加え、ストーリーの骨格をつくる。

そして、 どのパターンでもストーリーにメリハリをつけるために 「障害」 や 「対立」 、 キャラクターたちの 「葛藤」 といった要素は欠かすことができません。

王道には 「ありきたり」 や 「古臭い」 というイメージがつきまといますが、 長い時間をかけて先人たちが積み上げた面白さの集合知です。

しっかりとパターンの構造を理解し、 一貫性のある骨太のストーリーをつくりましょう。

【出典】『テクニックでセンスを超える! プロが教えるマンガネーム』著:佐藤ヒロシ

【書籍情報】
『テクニックでセンスを超える!プロが教えるマンガネーム』
著:佐藤ヒロシ

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