働き手不足の北海道を救う?水産加工、介護、外食産業でも…増える外国人ワーカーたち 5年前にできた在留資格「特定技能」とは?

仕事があるのに、働く人が足りない…。今期待されるのが、外国人の力です。

北海道・新千歳空港の国際線ターミナル。到着ゲートから出てきたのはスーツケースを手にした男性たち。

観光旅行ではありません。YOUは何しに北海道へ?

北海道へ来た外国人男性2人
「インドネシアから来ました」「働きます」

札幌市の日本語学校には、日本での就職を目指す多くの留学生たちが…。

働き手不足の北海道を救う外国人の姿を、もうひとホリします。

北海道 鈴木直道知事(2023年10月13日)
「人材を確保するための取り組みというのは、まさに今、非常に重要な状況にあります」

北海道内の労働力は、現在の271万人から、2030年には258万人と、13万人も減る予想で、働き手不足がより深刻化すると見られています。

逆に、今増えているのは、日本で働くことを希望する外国人です。

札幌市にある日本語学校では、約180人の留学生が日本語を学んでいます。

授業のようす
「日本の人口はだんだん…どっち?いま減ってきていますよ」

フランスから
「日本人の民度は高いし、自然が(多い)国」
香港から
「日本の文化やアニメが好き。もっと知りたいから来たのです」

授業料などの費用は、2年コースで140万円ほどかかりますが、コロナが明けて以降、人気が高まっているといいます。

ここから日本の専門学校や大学へ進学し、日本で就職することを目指しています。

札幌ランゲージセンター 佐治たみ子校長
「完全に日本で働きたい人が多い。85%から90%は日本でそのまま働きたい。それが5年や10年なのか、なるべく長くという人もいる」

(将来の仕事は?)
ベトナムから
「デザインとIT」
香港から
「ホテル。観光関係の仕事がしたいと思います」

新千歳空港にやってきたインドネシア人の2人は、留学生ではありません。

北海道へ来た男性2人
「餃子とカレーのお店で接客をします」

今、「特定技能」という制度で在留資格をとり、日本に来て様々な仕事をする外国人が増えています。

そうした外国人の就職と生活をサポートし、企業に人材を紹介しているのが「キャリアバンク」です。

キャリアバンク海外事業室 水田充彦室長
「道内企業で、『ぜひ外国人に働いてほしい』というニーズは今もずっと高い」

これまでの外国人の「技能実習」は、母国に技術を持ち帰る”国際貢献”が目的で、早ければ1年で帰国していました。

これに対し、5年前に制度ができた「特定技能」は”労働力の確保”が目的です。

16の業種が対象で、在留期間は最長で無制限になります。

すでに北海道内では約5600人が「特定技能」の資格で働いています。

キャリアバンク海外事業室 水田充彦室長
「(特定技能が)多い業種だと水産加工、次は介護、続いて外食になる。人材不足は深刻で、北海道内でも外国人労働者はまだまだ増えていくと思います」

こんな例もあります。

農家の人手不足を解消するために始まった「リレー派遣」というしくみがあります。

専門的な知識をもっている「特定技能」の外国人を、各地の農作物の収穫時期にだけ派遣をするサービスです。
4月には九州・長崎でミカンの収穫、6月になると山形に行ってサクランボを収穫、7月は長野でレタス、秋になると北海道でじゃがいもなど、あくまでも1例ですが、全国各地を季節の旬にあわせて忙しい農家のところへ行って仕事をすると人材サービスです。

先週発表された日本人の合計特殊出生率、1人の女性が生涯で出産する子供の数です。
全国平均が1.20と過去最低の数字になりました。北海道は全国ワースト2位の1.06という数字でした。
現状、産まれる子どもが少ないと、将来の働き手は確実に少なくなるということがわかります。

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