倒壊など恐れ「特定空き家」神奈川県内260軒 計画など未策定10市町村

国土交通省(資料写真)

 長年にわたって居住や使用の実態がない「空き家」のうち、倒壊などの恐れがある「特定空き家」が5月時点で、神奈川県内に少なくとも計260軒あることが神奈川新聞社の調査で分かった。横浜や川崎など12市町が判断。一方で、判断に必要な計画などを定めていない自治体が10市町村あった。

 計画や基準について、国土交通省住宅局住宅総合整備課の担当者は「絶対に定めなければならないというものではない」と前置きしつつ、「全国8割の自治体が計画を作っており、策定した上で対策を進めるのが適切」としている。

 総務省は4月30日、住宅・土地統計調査(速報値)を公表。空き家は昨年10月1日時点で全国に900万戸あり、5年前の前回調査に比べて51万戸増え、過去最多を更新した。神奈川は46万6千戸で前回より1万9千戸減った。

 特定空き家は空き家対策特別措置法で、空き家のうち、保安上危険となる恐れや衛生上有害となる恐れ、景観を損なう恐れなどがある建物と定義されている。

© 株式会社神奈川新聞社