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4回1死、中前打を放つ西武・栗山(撮影・大泉謙也)
◆日本生命セ・パ交流戦 西武1―2広島(11日、ベルーナドーム)
西武の栗山巧が2安打1四球と気を吐き、交流戦単独最多の通算335安打とした。
「3番左翼」で先発し、初回に床田寛樹から左中間への二塁打。セ・リーグの投手で5月の月間MVPに輝いた左腕のスライダーを流し打った。
「(床田は)独特のタイミングとテンポを持ち合わせている投球術のピッチャー。何とか対応した」。この一打で交流戦通算334安打として、同333安打で並んでいた鳥谷敬(元阪神、ロッテ)を上回り、単独最多となった。
4回にも中堅左への安打をマーク。それでも「勝ちにつながるような一打が(記録の)更新になっていたら…。それ以上はないかな」と喜びはなかった。
交流戦で対戦機会がほとんどない投手からどう打つか。交流戦13試合で12球団最少の19得点にとどまる打線に〝手本〟を示した。「できるかどうかは別にして」と前置きした上で「向こうの作戦にはあんまり乗らず、タイミングをしっかり取ればジャストミートの率は高くなる。特に交流戦は意識してコースなりに打つ」と持論を説いた。
9回は左翼スタンドの西武ファンと、応援に駆けつけた埼玉・花咲徳栄高の吹奏楽部が一体となり、先頭打者からチャンステーマ4を熱唱した。普段は主に終盤に得点のチャンスが訪れたときに歌う。
栗山は先頭打者で二ゴロに倒れ、チームは今季2度目の8連敗。40歳の大ベテランは「応援の方も後押ししてくれているというのは分かっていた。何とか塁に出てとは思ったけど…」と悔しがる。
「あす(12日)ね、どういう姿を見せるかっていうのが一番大事になってくる。明日のゲームをしっかり全うできるように、今から準備に入る。そこです」。悔しさを心に刻み、次に向かう。その姿勢を言葉と背中で示した。(末継智章)