日本代表がシリア5-0粉砕で全勝締め!進化の堂安が2戦連発決めた!W杯最終予選へ視界良好

 前半、得点を決めた堂安(10)は久保(左から2人目)らイレブンと喜ぶ(撮影・中田匡峻)

 「W杯アジア2次予選、日本代表5-0シリア代表」(11日、エディオンピースウイング広島)

 日本はシリアに5-0で快勝し、不戦勝を含めて2次予選を6戦全勝で終えた。日本は前半に上田綺世がヘディングで先制すると、堂安律の得点などで3点をリード。後半には相馬勇紀、南野拓実が加点した。攻撃をリードした堂安は、最終予選へ向けて確かな手応えを口にした。9月に始まる最終予選は、2次予選を勝ち上がった18チームが3組に分かれて争われる。組み合わせ抽選は27日に行われる。

 厳しい戦いが待ち受ける最終予選。そして、その先にあるW杯ベスト8の壁を越えるため、無駄にできる試合は一つもない。チーム力のさらなる強化へ、6日のミャンマー戦に続いて攻撃的な3バックの布陣で試合に臨んだ日本は、5得点のゴールラッシュでシリアに快勝。広島の新スタジアムで、新たな歴史の始まりを予感させた。

 その中心に立ったのは、日本の背番号10だった。1-0の前半19分、ピッチ中央をドリブルで前進した久保から右サイドでパスを受けると、エリア内に持ち込んで豪快に左足を振り抜いた。「ニアに早いシュートを打てば入る感覚があった」と、国際Aマッチ50試合目で10得点となった節目の一発を振り返った。

 1月のアジア杯をベスト8で散った日本。引いて守りを固めてくる相手に課題を残した。戦術幅の増加に向けて、国内でのトレーニングから3バックを試行。ミャンマー戦ではカタールW杯後で初めてスタートから3バックで臨み5得点で快勝した。

 堂安自身にとっても、自身の活躍の場を増やす2試合となった。ミャンマー戦では右シャドーで先発したが、この日は所属クラブでも担っている3列目の右ウイングバックで先発。異なるポジションでも2戦連続ゴールと結果を残した。「意外と器用なところがあるので。何でもできちゃうのは自分の良さ」とニヤリ。2日に結婚を発表した男が頼もしさを見せた。

 後半からは4-4-2のシステムに変更。堂安は最終ラインのDF冨安とコミュニケーションを取って、立ち位置を変える適応力を見せた。「間を抜けてスルーパスもできたし。どちらにせよポジションの良さを出せた」と試合中の切り替えにも手応えを口にした。

 この日は、ちょうど2年後にW杯が開幕する“折り返し地点”。2試合連続の大勝にも慢心は一切なく、歩みを止めるつもりはない。「調子に乗るとやられる。アジア杯でその痛さを痛いほど分かっている。みんながよくなろうと必死にやっているので楽しみにしてほしい」と堂安。森保監督も「2次予選と、ここから始まる最終予選は全く別次元の戦いになる」と強調した。新たな武器を手に入れた日本が、9月の最終予選でも強さを見せる。

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