【マリーゴールド】イヨ・スカイ参戦!相手は林下詩美…ロッシー小川氏が明かすWWEとの交渉舞台裏

イヨ・スカイ(左)との対戦が決まった林下詩美(©マリーゴールド)

2024年のマット界で最大のサプライズだ。世界最大のプロレス団体、米「WWE」スーパースターのイヨ・スカイが7月13日の「マリーゴールド」東京・両国国技館大会に参戦することが電撃発表され、大きな反響を呼んでいる。イヨにとって約6年1か月ぶりの日本マット凱旋で、林下詩美(25)とのシングルが決定。5月に旗揚げしたばかりの新団体がなぜ、〝ジーニアス・オブ・ザ・スカイ〟の招聘に成功したのか。対戦相手に詩美が選ばれた理由とは――。舞台裏に迫った。

サプライズは11日後楽園ホール大会のメイン終了後だった。高橋奈七永との激闘を制した詩美に、ロッシー小川代表は「7月13日両国国技館、最高の相手を用意しました」と呼びかけると、大型ビジョンにイヨが登場。会場がどよめきに包まれる中、イヨは「WWEスーパースターのイヨ・スカイ様が、マリーゴールドのリングにやってくる!」といつもの口調で切り出し、「日本のみなさんのみならず、世界中のみんなが大注目するこの一戦。ぜひ歴史に名を残すような名勝負にしましょう」とメッセージを送った。

10日(日本時間11日)のロウ出場後に撮影されたもので、この日の昼に映像が届いたため電撃発表に至ったという。紫雷イオのリングネームで活動した日本時代、「プロレス大賞」女子プロレス大賞3年連続受賞など数々の実績を残したイヨは、18年6月にスターダムを離れWWEに移籍。22年夏から「ダメージCTRL」で活躍し、昨年3月には当時エンゼルスの大谷翔平投手(ドジャース)とも初対面した。同8月に最高峰のWWE女子王座を奪取。世界一の女子レスラーとなり、約6年1か月ぶりの日本マット凱旋は、7月下旬に予定されている日本公演ではなくマリーゴールドのリングとなる。

小川代表によると、WWE側との交渉をスタートさせたのは今年3月だったという。急展開したのは4月に行われたWWEの祭典「レッスルマニア」だ。小川代表はWWE側から招待を受け、ジュリア(30)とともに渡米。祭典を視察するだけでなく、WWEのCOO(最高コンテンツ責任者)を務める〝ザ・ゲーム〟ことトリプルHと会談する場があった。

小川代表は取材に対し「ジュリアとの関係もあるからだろうね。向こうも、こちらのリクエストに応えてくれたということですよ。あとはスケジュール調整だけだと言われていて、それが最近になってクリアになった」と明かす。WWE側が近い将来のジュリア獲得を目指しているのは公然の事実で、〝交換条件〟としてイヨの派遣にゴーサインを出した模様だ。

また、対戦相手が詩美に決まったのも必然だった。もともとイヨに憧れて18年にスターダムに入門。だが、イヨ在籍時は練習生だったため対戦は実現しなかった。それでも憧れの先輩の背中を追い続けた。18年11月にイヨが立ち上げたユニット「クイーンズ・クエスト」に加入。今年3月いっぱいでスターダムを退団し、新天地にマリーゴールドを選んだのも実はイヨの存在が大きかった。

詩美は「イヨさんがいるからプロレスラーとして生まれる場所を決めた。マリーゴールドに来たのも小川さんがいて、イヨさんと戦いたいという私の一番かなえたい夢があったからです。プロレスラーを目指して6年、ようやく夢がかないます」と目を潤ませる。

昨夏の米国遠征で再会したイヨに「いつか夢をかなえたいです」と伝えると「できたらいいね」と笑顔で返答してくれたことは鮮明に覚えている。「夢はかなえるだけで終わらせたくない。イヨさんにもプロレスの歴史にも刻めるように林下詩美をぶつけたいです」。夢の舞台は世界が注目する一戦となる。

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