【賃貸】最新「敷金・礼金」は減少傾向? 賃料帯別に推移結果データを紹介

首都圏と近畿地方の金額動向を【一覧表】で確認

近年、物価やエネルギー価格高騰の影響により都市部を中心に不動産価格も上昇傾向にあります。

賃貸物件を探すとき、契約時に支払う敷金・礼金の金額に注目する方は多いでしょう。

初期費用だけで10万円以上かかるケースもあるため、物件選びの際は敷金・礼金の金額や有無の確認がとても大切です。

本記事では、賃貸物件の敷金・礼金の動向について「近畿地方」と「首都圏」を比較しながら解説していきます。

※編集部注:外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。

敷金0円の物件の割合は何%?賃料帯別に推移のデータを紹介

敷金とは、賃貸物件を借りる際に大家さんに預けるお金のこと。

いわゆる担保のような役割を担っており、退去するまでに不備等がなければ全額返してもらえます。

株式会社LIFULLは2024年5月14日に首都圏、2024年5月15日に近畿圏の敷金・礼金の動向の調査結果を発表しました。

【写真全7枚中1枚目】賃料帯別「敷金がいらない物件」の割合推移。2枚目以降では首都圏・近畿地方の金額推移グラフを掲載。

賃料帯別「敷金がいらない物件」の割合推移〈首都圏・近畿圏〉

賃料帯別の敷金がいらない物件の割合の推移は、以下の通りです。

10万円未満の賃料帯

〈首都圏〉

  • 2018年:35.6%
  • 2019年:36.4%
  • 2020年:42.9%
  • 2021年:45.4%
  • 2022年:48.9%
  • 2023年:53.2%

〈近畿圏〉

  • 2018年:57.3%
  • 2019年:57.6%
  • 2020年:67.3%
  • 2021年:71.5%
  • 2022年:73.4%
  • 2023年:74.8%

10万円以上15万円未満の賃料帯

〈首都圏〉

  • 2018年:22.7%
  • 2019年:22.9%
  • 2020年:22.3%
  • 2021年:23.2%
  • 2022年:29.1%
  • 2023年:33.8%

〈近畿圏〉

  • 2018年:38.3%
  • 2019年:39.3%
  • 2020年:47.0%
  • 2021年:52.2%
  • 2022年:56.7%
  • 2023年:59.3%

15万円以上20万円未満の賃料帯

〈首都圏〉

  • 2018年:8.4%
  • 2019年:9.0%
  • 2020年:11.2%
  • 2021年:14.2%
  • 2022年:18.1%
  • 2023年:21.1%

〈近畿圏〉

  • 2018年:25.7%
  • 2019年:26.3%
  • 2020年:31.7%
  • 2021年:33.4%
  • 2022年:42.8%
  • 2023年:47.7%

20万円以上の賃料帯

〈首都圏〉

  • 2018年:3.5%
  • 2019年:4.0%
  • 2020年:4.7%
  • 2021年:6.4%
  • 2022年:10.5%
  • 2023年:10.1%

〈近畿圏〉

  • 2018年:23.6%
  • 2019年:23.6%
  • 2020年:24.2%
  • 2021年:27.0%
  • 2022年:34.9%
  • 2023年:41.4%

全体的に敷金0円の賃貸物件は増加。今回の調査では、近畿圏は首都圏より敷金不要の物件が多いことがわかります。

【写真全7枚中2枚目】近畿圏:賃料帯別「敷金0物件」シェア推移

とくに「賃料帯が20万円以上」の物件では、敷金0円の物件の割合が4倍も異なるのが特徴的です。

【写真全7枚中3枚目】首都圏:賃料帯別「敷金0物件」シェア推移

敷金のことを考えると近畿圏の方が家を借りやすいことが伺えます。

次の章では、礼金についてチェックしていきましょう。

礼金0円の物件の割合は何%?賃料帯別に推移のデータを紹介

礼金とは、物件を貸してくれる大家さんに対するお礼として支払う費用のこと。

敷金とは異なり、退去時に返却されるされることはありません。

そんな礼金の有無も、首都圏と近畿圏で異なります。礼金0円の物件の割合の推移を、同社が公表しているデータをもとに以下の表にまとめてみました。

【写真全7枚中4枚目】賃料帯別「礼金がいらない物件」の割合推移

賃料帯別「礼金がいらない物件」の割合推移〈首都圏・近畿圏〉

賃料帯別の礼金がいらない物件の割合の推移は、以下の通りです。

10万円未満の賃料帯

〈首都圏〉

  • 2018年:57.4%
  • 2019年:54.6%
  • 2020年:56.2%
  • 2021年:54.0%
  • 2022年:48.1%
  • 2023年:45.7%

〈近畿圏〉

  • 2018年:20.4%
  • 2019年:19.7%
  • 2020年:23.6%
  • 2021年:26.0%
  • 2022年:27.2%
  • 2023年:27.8%

10万円以上15万円未満の賃料帯

〈首都圏〉

  • 2018年:38.2%
  • 2019年:33.6%
  • 2020年:28.2%
  • 2021年:27.5%
  • 2022年:26.8%
  • 2023年:24.7%

〈近畿圏〉

  • 2018年:13.9%
  • 2019年:12.7%
  • 2020年:13.1%
  • 2021年:14.0%
  • 2022年:17.5%
  • 2023年:17.7%

15万円以上20万円未満の賃料帯

〈首都圏〉

  • 2018年:29.2%
  • 2019年:27.5%
  • 2020年:29.1%
  • 2021年:35.0%
  • 2022年:37.8%
  • 2023年:33.1%

〈近畿圏〉

  • 2018年:10.2%
  • 2019年:8.7%
  • 2020年:10.7%
  • 2021年:11.0%
  • 2022年:14.8%
  • 2023年:14.0%

20万円以上の賃料帯

〈首都圏〉

  • 2018年:28.7%
  • 2019年:29.3%
  • 2020年:30.9%
  • 2021年:33.7%
  • 2022年:34.2%
  • 2023年:31.4%

〈近畿圏〉

  • 2018年:11.3%
  • 2019年:8.7%
  • 2020年:10.9%
  • 2021年:11.3%
  • 2022年:8.9%
  • 2023年:9.9%

礼金がいらない物件の割合は、近畿圏より首都圏の方が大きいことが見受けられました。

【写真全7枚中5枚目】首都圏:賃料帯別「礼金0物件」シェア推移

2022年から2023年にかけ、首都圏では礼金0円の賃貸物件の割合が減少傾向にありました。

【写真全7枚中6枚目】近畿圏:賃料帯別「礼金0物件」シェア推移

その一方で、関西ではおおむね増加傾向にあるのも印象的です。

次の章では、礼金についてチェックしていきましょう。

敷金と礼金の金額は全体的に減少|2018年と2023年の違いをチェック!

敷金と礼金の金額は、「家賃何ヵ月分」という形で決定することがよくあります。

株式会社LIFULLが発表した情報を見てみると、年により敷金と礼金の金額が異なることがわかります。

参考までに、2018年・2021年・2023年の違いを以下の表にまとめてみました。

【写真全7枚中7枚目】敷金と礼金の金額推移

賃料帯別:敷金と礼金の金額推移〈首都圏・近畿圏〉

賃料帯別にみた、敷金と礼金の金額推移は以下の通りです。

10万円未満の賃料帯

〈首都圏〉

  • 敷金(2018年):1.22ヵ月分
  • 礼金(2018年):0.95ヵ月分
  • 敷金(2021年):1.11ヵ月分
  • 礼金(2021年):0.97ヵ月分
  • 敷金(2023年):1.08ヵ月分
  • 礼金(2023年):1.01ヵ月分

〈近畿圏〉

  • 敷金(2018年):0.98ヵ月分
  • 礼金(2018年):1.81ヵ月分
  • 敷金(2021年):0.94ヵ月分
  • 礼金(2021年):1.58ヵ月分
  • 敷金(2023年):0.90ヵ月分
  • 礼金(2023年):1.48ヵ月分

10万円以上15万円未満の賃料帯

〈首都圏〉

  • 敷金(2018年):1.29ヵ月分
  • 礼金(2018年):1.11ヵ月分
  • 敷金(2021年):1.08ヵ月分
  • 礼金(2021年):1.08ヵ月分
  • 敷金(2023年):1.06ヵ月分
  • 礼金(2023年):1.13ヵ月分

〈近畿圏〉

  • 敷金(2018年):1.07ヵ月分
  • 礼金(2018年):2.04ヵ月分
  • 敷金(2021年):0.91ヵ月分
  • 礼金(2021年):1.80ヵ月分
  • 敷金(2023年):0.82ヵ月分
  • 礼金(2023年):1.67ヵ月分

15万円以上20万円未満の賃料帯

〈首都圏〉

  • 敷金(2018年):1.37ヵ月分
  • 礼金(2018年):1.15ヵ月分
  • 敷金(2021年):1.10ヵ月分
  • 礼金(2021年):1.09ヵ月分
  • 敷金(2023年):1.07ヵ月分
  • 礼金(2023年):1.14ヵ月分

〈近畿圏〉

  • 敷金(2018年):1.46ヵ月分
  • 礼金(2018年):2.08ヵ月分
  • 敷金(2021年):1.00ヵ月分
  • 礼金(2021年):1.85ヵ月分
  • 敷金(2023年):0.93ヵ月分
  • 礼金(2023年):1.75ヵ月分

20万円以上の賃料帯

〈首都圏〉

  • 敷金(2018年):1.52ヵ月分
  • 礼金(2018年):1.16ヵ月分
  • 敷金(2021年):1.26ヵ月分
  • 礼金(2021年):1.10ヵ月分
  • 敷金(2023年):1.18ヵ月分
  • 礼金(2023年):1.14ヵ月分

〈近畿圏〉

  • 敷金(2018年):1.24ヵ月分
  • 礼金(2018年):1.93ヵ月分
  • 敷金(2021年):1.10ヵ月分
  • 礼金(2021年):1.83ヵ月分
  • 敷金(2023年):1.01ヵ月分
  • 礼金(2023年):1.77ヵ月分

敷金の金額は首都圏・近畿圏ともに減少傾向であるのに対し、礼金は地域によって違いがありました。

近畿圏では礼金の金額も減少していますが、首都圏では2021年を境に上昇傾向に転じている賃料帯があるのが印象的です。

賃貸物件を選ぶときは敷金・礼金もチェックしてみよう

株式会社LIFULLの調査では、敷金0円の物件は全体的に増加しているのに対し、礼金0円の物件は地域によって異なることが明らかになりました。

また、敷金の金額は減っていますが、礼金は首都圏のみ増加しつつあります。

敷金・礼金は賃貸物件を借りるとき、重要な初期費用の項目のひとつ。

敷金・礼金の有無や費用を確認し、納得できる部屋選びをしてみましょう!

参考資料

  • 株式会社LIFULL「『敷金・礼金』の動向をLIFULL HOME'Sが調査【首都圏版】」
  • 株式会社LIFULL「『敷金・礼金』の動向をLIFULL HOME'Sが調査【近畿圏版】」(PR TIMES)

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