回転窓/能登半島地震の教訓

キャンピングカーの人気が続いている。エンジンを切ってもリチウムイオンバッテリーからエアコンを利用でき、内外装のデザインにこだわった新車を投入するなど、メーカー側も性能・機能拡充に力を入れる▼今年1月半ば、キャンピングカーを扱う企業や団体などに内閣府の職員が電話をかけ続けたと聞いた。能登半島地震の被災地で宿泊施設が不足し、支援のために現地入りした関係省庁の職員に宿として使ってもらおうと考えたようだ▼このほど政府の検証チームが同地震の被災地支援に関する検証結果をまとめた。岸田文雄首相の指示を受け、課題を整理した上で必要な取り組みを列挙している▼可搬式浄水施設や二輪巡回車両など被災地で役立つ技術・製品をカタログに示した。遠隔操縦式バックホウの活用のほか、工事現場の「快適トイレ」を公共工事で標準化する施策も。非常時に被災地への供給を円滑にする狙いがある。トレーラーハウスやキッチンカーなどを平時から登録し、非常時に備える仕組みも検討する▼災害と向き合う人たちの経験や教訓を次の有事に生かす。その積み重ねが強靱な国土につながる。

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