森保J“攻撃的3バック”の感触は? 選手前向き発言続々「上手くいった」「距離感がいい」

シリア戦でゴールを決めた南野拓実と上田綺世【写真:徳原隆元】

ミャンマー戦に続き、シリア戦でも3バック採用で5発圧勝

森保一監督が率いる日本代表は、6月11日に北中米ワールドカップ(W杯)アジア2次予選の第6節でシリア代表と対戦し、5-0の勝利を収めた。森保監督はミャンマー戦(5-0)に続き、新システムの攻撃的3バックを採用。個々の連係が取れたなかでの圧勝劇となり、選手の口からも前向きな言葉が相次いだ。

この試合、左ウイングバックにMF中村敬斗、右ウイングバックにMF堂安律という攻撃的な選手をワイドに張らせた日本は、前半13分に中村のクロスからFW上田綺世が先制点をマークした。その後、前半に2点を加えると、後半にはMF相馬勇紀、MF南野拓実が加点し、2次予選の最終戦を勝利で締め括った。

5得点で圧勝した試合後、上田は3バックシステムについて「全部が全部うまくいったわけではない」としたうえで「時間が経つにつれて少しずつ掴めてきた。個人的にはクオリティーを上げたかったけれど、人の動きも見えていたし、練習よりゲームのほうが上手くいった部分も多かったと思う」と前向きに捉えた。

連係面についても「2シャドーになっていたので、自分の周りに人が多くいて、人の配置のイメージも自分のなかでは掴みやすかったし、ボールも受けやすかった。前線でイメージは上手く合わせられたと思う」と、手応えを語っている。

さらに南野も「みんなの特徴が出しやすい配置になっていたと思う」と言い「ほしいタイミングでゴールがポンポンと入り、うまくゲームを運ぶことができた」と、早い時間帯にゴールを奪えたことも、プラスに作用したと振り返った。

アジアで試合をする際、引いた相手をどう崩すかは大きな課題だった。シリア戦の後半、4バックで戦った時間帯を振り返り、南野は「4-2-3-1になった時、アジア杯で難しいシチュエーションが多かったなか、どうすればいいか個人的にも考えていた。ワイドに張って、スペースを味方に空けたうえで、どのタイミングで自分が関わっていくか。自分が得意なシチュエーションであれば、自分が中に入り、その時に左を誰に任せるか。そういうところをうまく連係できたのは良かった」と、改善の兆しが見られたと語る。

対戦相手のレベルが大きく落ちる2次予選であることが前提であるとはいえ、「3バックに関しても、うまく良いシーンを作れた」と、そのメリットも感じられたと南野は続ける。

「ミャンマー戦に関して僕は出ていないので分からないのですが、今回(6月シリーズで)森保さんは3バックをやる意図があったなかで、ボールを握った時の僕の感覚では、味方同士の距離感とか、握りやすさとかは3(バック)のほうがいいのかなと。相手によって変わるので難しいですが、今日は1つのオプションを見せるという意味では良かったかなと思います」と、3バックでの戦いやすさを感じられたと口にした。

W杯などでは格上の相手とも戦う一方で、アジアでは格下の相手とも戦う日本。アジア最終予選を前に、多くのオプションがあることを確認できたことは、チームにとって大きな意味がありそうだ。(FOOTBALL ZONE編集部)

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