堺市/中百舌鳥駅周辺活性方針策定、交流・活動生む空間形成

堺市は、南海電気鉄道・泉北高速鉄道中百舌鳥駅(北区中百舌鳥町)と大阪メトロなかもず駅(同中百舌鳥町)の周辺エリア活性化に向けた基本方針を取りまとめた。駅前広場エリアと堺商工会議所(同長曽根町)などが集積する北部エリア、二つのエリアの間にある周辺市街地で構成する区域約10ヘクタールを、交流と活動が生まれる空間にしていく。2040年ごろを展望し、今後約10年の取り組みを提示。方針に位置付けた駅前の北側交通広場に設ける複合施設整備・管理事業者を決める公募型プロポーザルは25年3月ごろに公告する予定だ。
方針では、商業・業務・交流機能を備え乗り継ぎ改善にも役立つ新施設整備のほか、駅前の歩行者空間整備や駐輪場再配置の検討を打ち出した。
北部エリアでは民間活力を使った公園再配置や低未利用地の高度利用、周辺市街地については商業・飲食店の活性化と新機能導入による多機能化を提示。
エリアのデザイン統一などに取り組み、一体感がある景観形成も目指す。
技術革新などにつながる交流や活動の促進や公民連携によるマネジメント体制構築にも取り組む。
このうち駅前北側交通広場に計画している新施設の整備・管理運営事業者を選ぶ公募型プロポーザルの手続きに先立ち、市では事業者募集要項作成などの準備を進めている。
同駅前広場の面積は7100平方メートルで、地下自転車駐車場(3100平方メートル)がある。駅前広場に乗り入れている交通手段を最適化し、広場の機能を再配分することで、人に重点を置くエリアとする計画だ。新施設の整備・管理運営事業者はプロポーザル公告後、1年程度かけて選定する。
同駅周辺は産業支援施設が集積する。大阪公立大学中百舌鳥キャンパスに近い。同キャンパスには同大学工業高等専門学校の移転が決まっている。未利用地もあり、エリアのポテンシャルに見合った活用に向けた取り組みが始まっている。堺市ら産学官で組織するコンソーシアム「NAKAMOZUイノベーションコア創出コンソーシアム」は、新技術や新ビジネスを創出する拠点の形成を検討してきた。

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