【異変】「お米がない」仕入れ価格の値上げで“令和の米騒動”に?寿司店・スーパーで“米不足” 農水省「在庫は十分」

今、日本の一部でお米が不足しているという。
その理由を探ると、不作だけではない、日本ならではのある事情が見えてきた。

「お米がない」おすしに“異変”が…

日本が世界に誇る料理、おすし。

今や、すしは世界の共通語で、外国人観光客にも大人気となっている。

中国からの観光客は、「すごくおいしいですね、最高ですね」「日本のすしは中国よりおいしい、特別です」と答えてくれた。

ネタとともに、すしに欠かせないのが、シャリだが、今異変が起きているという。

小池ずしの小池省三さんは、「お米自体が少ない、問屋さん自体もお米がない」と話す。

5月に比べて、米50kgの仕入れ価格が2000円値上がりしたという。

小池さんは、「2000円値上げは大変な問題。これ以上上がったら値上げを考える。値上がるとなったら、客はやっぱり減る…」と嘆く。

さらに、仕入れできる量も少なくなっているという。

全国の小売店に行ったアンケート調査では、19%が米を仕入れできないと回答し、66%が仕入れできる量が少ないと答えた。

深刻な米不足のワケ…不作だけでなく日本食ブームも

深刻な米不足の影響は、私たちの家庭にも影響を及ぼしつつある。

神奈川県にある、スーパーの米売り場の商品棚を見ると、ほぼ品切れ状態で、貼り紙には、「米の原料不足により、供給が不安定」と書かれていた。

取材班が訪れた東京都内のスーパー「さんよう」でも、米不足の影響で、売り場に出す米の量が減っているという。

ここでは商品が少ないため、お米売り場に別の商品を並べている。
値段も2カ月前から上がっているという。

スーパーさんようの阿部芳邦さんに米不足の理由を聞くと、「昨年の猛暑による不作や、海外からのインバウンド需要で、米の動き・需要が高くなっている」と説明した。

全国有数の米の産地、新潟県など一部の米どころでは、猛暑の影響で品質の低下や不作に見舞われていて、そこに、世界的な日本食ブームが重なって、ダブルパンチになっているという。

来店客からも、「高い高い高い。いや困りますね、困っちゃったね」との声が上がった。

インバウンド需要と猛暑による、米不足は、2024年の米の収穫で、回復は見込めるのか。

「米騒動」が起きる可能性はあるのか?

こういった米不足による「米騒動」が過去に起きている。

記憶にある方もいるかもしれないが、1993年に冷夏と長雨が続き、国産米が記録的な不作となって起きた「平成の米騒動」だ。

タイなどから急きょ米を輸入したものの、国産米を求めて大行列ができるなど混乱が続いた。

今後、このような騒動に発展する可能性はあるのだろうか?

農水省によると「2023年の猛暑で見た目の評価が最も高い一等米の収穫は減ったが、米全体の収穫量が減っていない。民間による在庫も十分あるので、平成の米騒動のようにはならない」として、冷静な判断を呼び掛けている。
(「イット!」6月11日放送より)

© FNNプライムオンライン