使わなくなったルンバを神田明神でサヨナラしてきた

by 小口 覺

カンフーには広く「訓練を積み重ねる」といった意味があります。「老師オグチの家電カンフー」は、ライターの小口覺が家電をネタに、角度を変えてさらに突き詰めて考えてみるコーナーです

2024 ルンバ感謝祭@神田明神

去る6月8日(ルンバの日)、アイロボットジャパンは「2024 ルンバ感謝祭@神田明神」を開催しました。これまでロボット掃除機を何台も乗り換えてきた家庭も多いと思うのですが、使わなくなった掃除機って、どうしてます? 今まで家の中を掃除してくれた恩もあって、簡単には捨てられず、押し入れの中に溜まりがちじゃないですか。

そんな、捨てるに忍びないロボット掃除機(ルンバ)を神田明神で祈祷してもらう、このイベント。取材の案内もいただいていましたが、どうせならと1人のユーザーとして参加してきました。

神田明神(神田神社)。国内外の観光客のみならず、結婚式やアイドルライブの観客(境内にホールがある)など、様々な人で賑わっていた
御神殿とルンバと私(ルンバ歴21年)

持参したのは「ルンバ880」。2014年発売なので、もう10年前の機種なんですね。この世代から髪の毛が絡まりにくいゴムローラーに変わってます。参加者が持ち込んだルンバも、この世代が多かった印象です。あと、お子さんがいる家庭が多く、家族の一員としてルンバが親しまれてきたことがうかがい知れました。

イベントでは最新のルンバも当たるお楽しみ抽選会が開催。その後、御神殿へ移動し、「お祓い」「祝詞奏上」「巫女舞」「福鈴の儀」「玉串拝礼」の順に祈祷が行なわれました。心の中のゴミがお掃除されている気持ちにもなりますね。そして、ユーザー代表として小学2年生の田中杏樹さんが朗読したルンバ宛ての手紙は、涙を誘うものでしたよ。

普通の祈祷風景のようだが、足元にはルンバが
粛々と進められる儀式
ユーザー代表、田中杏樹さんの朗読。冬に来たルンバを「ゆきちゃん」と名付け、家族として仲良くしてきたエピソードを語った

このようなイベントは、アイロボット社では初めてだそう。そりゃあ、モノに魂が宿るとするのは、日本人的な発想ですからね。参加してみて全然違和感がなかったのは、ワタシが日本人ゆえでしょうか。

ちなみに、今回ユーザーが持ってきたルンバは、専門の業者によってSDGsに配慮された形でリサイクルされます。ルンバに魂があるかは分かりませんが、その素材は確実に輪廻転生していくのです。

愛のあるデコレーションが施されたルンバも
株式会社リーテムの東京工場に搬入され、素材ごとに分別されリサイクルされる

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