『どうする家康』好演で話題・森崎ウィンが語った、実力派女優との印象的な出会い「疑似家族を思わせるものがありました」

森崎ウィン 撮影/冨田望

森崎ウィンさんは、2018年公開のハリウッド超大作『レディ・プレイヤー1』で主要キャストのダイトウ/トシロウを演じ一躍脚光を浴びると、’19年に出演した映画『蜜蜂と遠雷』では第43回日本アカデミー賞・新人俳優賞を受賞。また翌年にはミュージカル『ウエスト・サイド・ストーリー』Season2の主人公・トニー役を演じ、高い評価を獲得している。以降も、映画や舞台を中心に幅広く活躍し続けている森崎さんの転機「THE CHANGE」とは、いったいなんだったのだろうか。【第2回/全5回】

森崎さんが昨年に引き続き参加するライブ『ミュージカルは最強です!』には、森崎さんと同じくミュージカルでも活躍している俳優たちが多く出演する。彼らについて森崎さんはどんな思いを抱いているのか、話を聞いてみた。

まずは、城田優さん。城田さんと森崎さんはブロードウェイミュージカル『ピピン』で主人公のピピン役をそれぞれ’19年と’22年に演じ、コンサートでも共演するなど縁が深い間柄だ。

「急に電話がかかってくるんですよ(笑)。“いついつ空いてる? こういうのがあるんだけど、やる?”みたいな感じでいろいろなことに誘ってくださるんです。だから僕にとっては兄貴分みたいな存在ですかね。俳優としての城田さんは、芝居の見せ方がすごく上手ですし、舞台っていうものを本当に分かっていらっしゃるなって感じます。ミュージカルの『キンキーブーツ』を見に行かせていただいたのですが、背も高いし舞台映えもするので、本当にステキでした」

続いては、大人気コミックを舞台化したミュージカル『SPY×FAMILY』で共演経験のある唯月ふうかさんについて、森崎さんはこう話してくれた。

「“サポートしますので、なんでも言ってください”と声をかけてくれたり、のほほんとして本当に優しい方なんですけど、その中に強い芯がしっかりあって、それがヒシヒシと伝わってくるんですよね。いわゆる俳優同士の“食う、食われる”みたいな悪目立ちではなくて、ちゃんと一歩引くところは引きつつも、自分が出るときはとても力強くバンと前に出られる方なので、本当にすごい人だなって思いました」

また、別の共演者との関係性の中で、森崎さんと唯月さんの間にはさらに強い絆ができる。それは作中で森崎さん、唯月さんと共に“疑似家族”を構成する娘役を演じた子役たちとの共演シーンでのこと。

「年上の僕らが、彼女(子役の子)たちを正しい立ち位置に誘導してあげたり、リードしてあげたりしなきゃいけないんですけど、僕一人ではとてもできないんですよね。唯月さんがしっかりサポートをしてくれたので、本当に助かりました。このとき築くことができた信頼関係は、劇中の設定のように疑似家族を思わせるものがありました」

共演者の中川晃教と相思相愛!?

次に聞いたのは、男性ボーカルグループのLE VELVETS。メンバーの中でも、佐藤隆紀さんとはイベントでの共演も多く、関係値も高い。

「いつもキレイな低音で、超クールな歌を披露されているんですけど、しゃべるととてもフランクで、すごく面白い方なんですよね。低音担当の方って、寡黙なイメージを持ってしまいがちですけど、お話もとっても上手で。声楽のご出身なので、声帯にまつわる知識がとてもすごくて、ご自身でも“発声オタク”っておっしゃっているぐらいなんですよ(笑)。専門的な話が多くて、その高度な内容にいつも圧倒されています」

ステージで見事な歌唱を披露し、圧倒的な存在感を見せつける佐藤さんの、普段は垣間見ることのできない一面を、森崎さんは楽しそうに話してくれた。

最後に聞いたのは、『ミュージカルは最強です!』でホストを務め、ミュージカル界において絶大な存在感を示し続けている中川晃教さんについて。森崎さんは一言一言噛みしめるように言う。

「唯一無二という感じです。彼の存在自体が一つの世界観を作っていて、観客の皆さんはそれが見たくて劇場に足を運んでいるんだと思います。彼が歌うと同じ曲でも全然違う視点を与えてくれますしね」

森崎さんをして“唯一無二”と言わしめる中川さん。実は以前、「THE CHANGE」で中川さんにお話しを伺った際、“いま僕の中で、森崎さんが熱い!”と、中川さん自身から聞いていた。そのことを伝えると、森崎さんは困ったような笑顔を浮かべつつ、とっておきのエピソードを語ってくれた。

「以前共演させていただいたときに、突然“いまから僕たちでミュージカルをつくろう!”ってむちゃぶりされたことがあって(笑)。バンドの方たちが弾き始めて、急に中川さんが歌い始めたので驚いたんですけど“やるしかない!”って覚悟を決めて合わせていったら、結局、共演の田代万里生くんとのシンクロもあいまって、すごく良いものが出来ちゃったんですよね(笑)」

さまざまな共演者との出会いが、森崎さんを新たなステージへと導く変化「THE CHANGE」となっている。

森崎ウィン 撮影/冨田望森崎ウィン(もりさき・うぃん)1990年8月20日生まれ、ミャンマー出身。’18年公開のハリウッド超大作『レディ・プレイヤー1』で主要キャストを演じ、一躍脚光を浴びる。‘20年に映画『蜜蜂と遠雷』で第43回日本アカデミー賞・新人俳優賞を受賞。同年、ミュージカル『ウエスト・サイド・ストーリー』Season2で主演を務める。近年はNHK大河ドラマ『どうする家康』に出演するなど映画、ドラマ、舞台で幅広く活躍。7月15日に開催される『ミュージカルは最強です!2024』では、昨年に引き続きコントにも挑戦する。

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