前町長、業者2人に見返り品指定か 石川贈収賄、瓶ビールなど

 石川町発注の公共工事入札を巡る贈収賄事件で、収賄の疑いで県警に再逮捕された前町長の塩田金次郎容疑者(76)=同町形見字道橋=が、贈賄の疑いで再逮捕された業者2人に対し、秘密事項の設計額などを教えた見返りとして、瓶ビールなど物品を指定していた可能性があることが11日、関係者への取材で分かった。

 関係者によると、塩田容疑者はこれまで業者などに対し、ビールなどを提供するように持ちかけたことがあったという。県警は、塩田容疑者と、贈賄の疑いで再逮捕された同町の建設業「志賀建設」の元顧問で無職関根徳夫容疑者(69)=同町字境ノ内=と元役員でコンサルタント業添田保雄容疑者(63)=平田村中倉字見上=の間でどのようなやりとりがあったかなどを調べている。

 捜査関係者によると、関根、添田両容疑者は10回ほどにわたり瓶ビールや缶ビール、お茶などを石川郡内の店舗で購入し、計42万円相当を塩田容疑者に提供していたという。

 県警は、塩田容疑者が見返りとして受けた瓶ビールなどを他者に渡していた可能性もあるとみている。ほかにも金品のやりとりの有無や、塩田容疑者の選挙活動に関連がなかったかなども慎重に捜査している。

 県警は11日、3人を地検郡山支部に送致した。

 第三者委の予算可決

 石川町議会は11日の6月議会最終本会議で、事件の再発防止に向けた第三者委員会の設置費を盛り込んだ本年度一般会計補正予算案を可決した。町は7月以降、有識者らから委員を任命する見通し。町は第三者委の意見を踏まえ、入札制度を見直す考えだ。

 町議会は町長の逮捕・勾留時や有罪判決が確定した場合、給与と期末手当の不支給や一時差し止めができるようにする条例改正案も可決した。町は条例に基づき、塩田容疑者が今月末に受ける予定だった期末手当約122万円について支給差し止めの手続きを取る。

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