豆乳を「国民飲料」に 「キッコーマン豆乳」史上最大規模のイベントが始動 ソイラテ2万杯・豆乳飲料10種類計2万本を無料配布

キッコーマンソイフーズは、豆乳にコーヒーを加えるだけで簡単にできるソイラテの提案を強化し豆乳ユーザーの裾野拡大を図る。

東京で最高気温29℃を記録した11日、渋谷ストリーム前稲荷橋広場(東京都渋谷区)で「キッコーマン豆乳 ソイラテSTAND2024」が開催された。

11日から17日までの7日間、ソイラテ2万杯、豆乳飲料10種類計2万本を無料配布し、提供数では「キッコーマン豆乳」史上最大規模のポップアップイベントとなる。

11日、取材に応じたキッコーマンソイフーズの山﨑孝一社長は「一人でも多くのお客様に豆乳を飲んでファンになっていただきたい。豆乳を国民飲料として広めるような活動を一層強化していきたい」と力を込める。

キッコーマンソイフーズの山﨑孝一社長

豆乳市場の課題に、ユーザー数が少ないことを挙げる。

亀井淳一マーケティング本部マーケティング推進部長は「豆乳は4人に1人の方が飲んでいる。裏を返すと、飲んでいない方が多い」と指摘する。

同社の調べ(n=500)によると、「これまでに豆乳を飲んだことがない」と回答した人は全体の28.6%。そのうちの47.6%が、飲んだことがないにも関わらず「どちらかというと嫌いな味」と回答した。

「どんな味かよく知らない」と回答した26.6%と合わせると、約74%が“飲まず嫌い”という結果になった。

豆乳が飲まれていない理由としては、2つの要因があるとみている。

亀井氏は「豆乳はどういったときに飲むのか、何のために飲むのかを知らないという方がまだ多くいらっしゃる。もう一つは、豆乳は美味しくないと思っている方が多い」という。

左から井上氏、加納さん、林さん、亀井氏

このような豆乳の非飲用者の先入観を覆すべく、今回、ホップアップイベントを過去最大規模で実施するに至った。

「ポップアップイベントの目玉はトンネル型のアトラクション」と胸を張るのは、マーケティング本部マーケティング推進部の井上郁乃氏。

これは、豆乳とトンネルをかけた「豆ネル(とうねる)」と呼ばれるもので、キッコーマンの「調製豆乳」を模した長さ約8mのトンネル型のアトラクション。この中で、カフェタイム・おやつ・運動後・朝食の4つのシーンで豆乳を飲む理由を音とビジュアルでかみ砕いて伝える。

同イベントは今回で3回目。昨年は複数種のソイラテを用意したが、今回は、家庭でも簡単につくれることを強く訴求するためソイラテのみに絞り込んだ。

新規ユーザーの取り込みをより意識して、今回初の試みとしてJR渋谷駅に広告を掲出し、会場への誘導を図っている。

亀井氏は「これまでは豆乳のファンの方にメインで来ていただいていた。今回は、豆乳を飲んでいない方にも来ていただきたく、ご自宅でも再現しやすいソイラテをご用意した」と説明する。

店頭では昨年に引き続きコーヒーとのクロスMDを積極的に提案していく。
「濃いめのコーヒーにたっぷりの豆乳を混ぜるだけでカフェのようなソイラテができることを広めていきたい」と意欲をのぞかせる。

イベントのオープニングセレモニーには、俳優の林遺都さんとお笑いコンビのAマッソ・加納さんが登場し会場を盛り上げた。

「キッコーマン豆乳」は6月現在、38種類・52アイテムを取り揃える

キッコーマンソイフーズの前期(24年3月期)豆乳実績は、他の機能性飲料や植物性飲料への流出で足踏みしたものの、今期出足の4月からは回復傾向にあるという。
市場全体が厳しいなかでも、好調を維持していたのは「おいしい無調整豆乳」とトクホの「特濃調製豆乳」。

山﨑社長は「健康志向の高まりから支持されているようだ。甘くない飲料が好まれるトレンドもあり、『砂糖不使用調整豆乳』など砂糖不使用のシリーズも伸びてきている。今後柱になっていく商品だと考える」との見方を示す。

今後については「日本の四季折々の変化に合わせた豆乳の飲み方を積極的に提案したいと考えている。秋冬には相性のいい鍋の提案に相当力を入れていこうと考えている」と述べる。

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