「双葉のため」農業事業開始 石川県の生産法人、4品目栽培へ

除草作業に汗を流す安井ファームの黒津さん=双葉町前田地区

 農業生産法人「安井ファーム」(石川県)は11日、双葉町で農業事業を始めた。同町前田地区の農地約70アールを借り、ブロッコリーやキャベツ、ニンジン、タマネギの4品目を栽培する予定だ。事業を担当する黒津今日子さん(34)=福島市出身=が除草作業を行い「双葉のため、福島のため、ここで農業を成功させたい」と抱負を語った。

 同社は晴れの日が多い太平洋沿岸の気候のほか、本県復興に向けた社会貢献などを理由に進出した。黒津さんは山形大農学部を卒業後、鉄道会社での勤務を経て昨年10月に安井ファームに入社。今月から双葉町内の公営住宅に入居し、石川県との2地域居住をしながら農業に取り組む。

 今夏から予定する苗の定植や種まきを前に、トラクターを使って除草作業を行った黒津さんは「夢だった農業人としての第一歩。安全性を確認しながら、私が双葉で作った野菜を食べてもらいたい」と話した。

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