いわき市漁協、水揚げ1144トン 震災後最多、取引額54%に回復

 いわき市漁協の2023年度の水揚げ量は1144トン(前年度比19%増)で、水揚げ金額は7億8619万6000円(同11%増)となった。いずれも22年度に記録した東日本大震災以降の最多を更新した。震災前の10年度と比べると、水揚げ量は約28%、取引額は約54%まで回復した。

 市漁協が11日、同市で開いた総代会で報告した。イセエビやタチウオ、ケンサキイカなど高価な魚種が数多く取れたほか、底引き網漁回復に向けて国の助成制度「がんばる漁業復興支援事業」を活用した取り組みが昨年9月に始まったことなどが要因としている。

 県内外で展開した「常磐もの」のPRなどによる効果をはじめ、東京電力福島第1原発からの処理水海洋放出により国内で目立った風評被害が発生しなかったことも影響したとみている。総代会ではこのほか、計画的な漁獲量の増加や、放射性物質検査の継続などを盛り込んだ本年度の基本方針も決めた。

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