[TOPPAN]永く愛着を持ち暮らすことができる普遍的なソリッドカラーを追求

__時代にあった理想的な「白」の追求。それはデザインマーケティングはもとより、長年にわたり培ってきたTOPPAN独自の技術との両輪が強み。
「あしたを、ここちよい空間(セカイ)へ」をキーコンセプトに、これからの社会的価値を創出。__

ロングライフな生活を紡ぐ

新たな「白」を追求

TOPPANが、住まいの空間になくてはならない「白」にこだわり、新たなスタンダードとも呼ぶべき「白」を追求している。

住生活空間で「白」は重要な役割を果たしてきた。障子の白は家のなかに光を採り込む役割を持ち、城壁の漆喰の白は権力の象徴でもあった。TOPPANは「101」と銘打った住宅向け化粧シートを展開しているが、出荷ベースで多くのボリュームを占めるのは白であるという。

ただ、一言で「白」と言ってもさまざまな白がある。一見、同じように見える「白」でも、時代とともに少しずつ変化し、世の中のニーズによっても変わってきているのである。

TOPPANのデザインファーム「C‐lab.」は、国内外で調査やマーケティングを行い、モノづくりを行う上でのエビデンスを蓄積している。この「C‐lab.」では、インテリアにおける「白」の重要性にいち早く着目し、さまざまな角度から調査、予測を行った上で研究を続けてきた。例えば、社会動向調査、和紙や漆喰、石材など「白」の価値を持つ自然素材の分析などを通じ、時代に合った「白」を追い続け、商品開発に反映してきた。「トレンドによって建具など内装の色が変化するなか、それらとの調和を考えて白も変化しなければならない」(生活・産業事業本部 環境デザイン事業部 マーケティング戦略本部・大鋸泰斗主任)と「理想の白」を追求してきたのである。

そして、蓄積してきた知識と独自の技術を生かし、「永く愛着が持てるホワイト」をコンセプトとする化粧シートを実現した。

壁紙や家具などを含めた住空間と調和することで、住まい手に心地よい環境を提供する。この「白」のデザインと、長期に美観を損なわない技術が実現した化粧シートは、積水ハウスの「時間と共に愛着を編み込む住まい」をコンセプトとする「life knit design」の新たな建材色に採用された。

TOPPANの「永く愛着が持てるホワイト」は、積水ハウス「life knit design」の新たな建材色に採用

「life knit design」
https://www.sekisuihouse.co.jp/kodate/lkd/

サステナブルな生活環境を実現する

スマートナノ技術

新たな「白」の実現を可能にした同社独自の技術が「Smart NANO(スマートナノ)」だ。特殊な方法でナノ化した機能材料を分散することで化粧シートの性能を高める技術で、これまでになかった新たな機能や性能を付加することができる。

その製品化の第一弾となったのが2017年に発売した床用化粧シート「101 レプリア スマートナノ」である。同シートは、オレフィンクリア層にスマートナノ技術を用いることで非常に優れた高耐傷性能を付加、えぐれ傷やひっかき傷などに強いシートを実現した。翌年には、同技術を採用した建具用化粧シート「101 エコシート」を発売。高機能・高性能な床と建具とのコーディネイトを可能にした。

スマートナノ技術により、しなやかさを備え凹みやえぐれに強く、耐候性、耐汚染性にも優れ、突板や無垢フロアのような経年での表面変化が起きづらい、世界最高水準の表面性能を持つシートを実現してきたのである。

スマートナノ技術を使い、基材の色に左右されない着色フィルムの材料設計を行うことで、追い求めた「白」の明度・彩度を忠実に再現することができた。もちろん、長期間美観を保つ耐傷性と、フィルムの強靭性を担保しつつ建具や造作部材へのシートの加工適正も重視した。

スマートナノ技術が実現してきた長期美観を保つという機能面での価値に加え、意匠面での価値を向上したことが大きなポイントで、サステナブルな生活環境を実現することが可能になる。

壁紙や家具などと調和し、心地よい空間を実現

実生活での価値、社会的価値の創出へ

TOPPANは、実際の使用者が安心して使えることを商品開発の重要な要素としている。今回の「白」の開発において、実際の生活でどのように使用されるか、さまざまな想定を行った。例えば、「白」は洗面所での採用が多いことから、化粧品や洗剤などに対する耐性を強化した。また、窓まわりの造作で採用した場合は色々なモノが置かれるかもしれない。スプレー缶などを置いた場合は錆の影響も考えられる。

製品の評価にはJISやJASなど公的な基準があるが、これはあくまでモノの評価。「せっかく良い〝白〟なのに、汚れが取れなくなってしまったら元も子もない」(生活・産業事業本部 環境デザイン事業部 建装材開発・設計本部 谷口祐介課長)と、実生活に寄り添った評価を続け、エンドユーザーに向けて訴求している。

こうした姿勢は使用者だけにとどまらず社会全体に及ぶ。化粧シートのバイオマス化により、温室効果ガス排出の削減に貢献できるよう開発を進める。さらに資源循環の面でも大きな貢献ができるよう、社内外の廃プラスチックを活用したリサイクルシートへと進化させていく考えだ。

TOPPAN 環境デザイン事業部のキーコンセプトは「あしたを、ここちよい空間(セカイ)へ」。

意匠的価値・機能的価値とともに、未来に向けた社会的価値の創出を目指している。

TOPPAN 株式会社
生活・産業事業本部 環境デザイン事業部
TEL:03-3835-6820
https://forest.toppan.co.jp/

デザインファーム「C-lab.」
https://forest.toppan.co.jp/designtech/clabo.html

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