警察共済組合の職員を逮捕 200人以上の情報漏らした疑い SNS通じ「1件数万円の報酬」一般人の情報も閲覧 千葉県警

千葉県警本部

 警察共済組合本部の勤務で得た個人情報などを漏えいしたとして、千葉県警は12日までに、地方公務員等共済組合法違反の疑いで船橋市海神5、同組合職員、富川泰興容疑者(31)を逮捕した。県警によると、容疑者は「依頼者から報酬を受け取った」と供述。県警捜査2課は、警察関係者だけでなく、警察共済に加入していない一般人も含む個人情報が容疑者を通じて流出した可能性があり、流出被害は200人以上に上るとみている。

 同組合は警察の職員や退職者らに年金・福祉事業を行う組織。同組合本部によると、容疑者が勤務していた同組合本部年金部の職員であれば、他の年金の加入者や受給者の個人情報も閲覧できるという。個人情報には住所や名前、性別、生年月日などが含まれる。

 逮捕容疑は、同組合本部(東京都千代田区)に勤務していた際、業務で扱っていた年金関係のシステムを利用して5人分の住所情報などを不正に入手し、依頼者に職務上知り得た秘密を漏らした疑い。

 同課によると「依頼してきた多くの客に対して、1件数万円の報酬をもらい、個人情報を教えた」と容疑を認め「警察共済に加入していない個人も含む年金加入者の情報を端末で照会した」と供述している。他の都道府県警の事件の捜査で関与が浮上。11日夕に逮捕した。

 容疑者は有料で他人の住所情報を教えるなどとSNSのX(旧ツイッター)に投稿。昨年6月ごろ、投稿を見て、特定の個人の名前を示して住所情報を教えるよう依頼してきた人物に、何らかの方法で伝えたとみられる。

 同組合本部によると、容疑者は同組合千葉県支部で採用された。2022年4月から、人事交流の一環で派遣された同組合本部で警察の職員や家族、遺族の年金の審査業務を担当。今年春からは同組合千葉県支部に戻って勤務している。

 県警は順次、漏えい被害が確認された人に管轄警察署を通じて今回の事態を知らせ、訪問説明などの必要な措置を取るとしている。

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