ヒジと前腕の動きの+α

ダウンスイングで逆方向に腕をねじる

ダウンスイングでは実が、右前腕を外にねじる動き（回外）は、クラブヘッドをインサイドから、ゆるやかな入射角で戻してくるためには、重要な動きとなるという考え方が近年出てきています。この動きは、ダウンスイングと言うより、バックスイングの終わりから始まって、切り返しでのヘッドの動きを単純な「折り返し」ではなく、ある種「ループ」にして、動きを止めずにスムーズに下ろすことにもつながっています。

フェースの向きを開いた状態からインパクトに向けて閉じていかなければならない、と考えると、右前腕の動きとしては内にねじる動き（回内）でなくてはならないはずです。しかし、ここで回内をすると、右肩が前に出る動きが出てきて急角度なアウトサイド・インの軌道になりやすいのです。

逆に回外をすると、右ヒジを下に向けつつ体側に近づけ、右肩を低い位置に引き込んで、クラブをゆるやかな入射角で、インサイドから下ろしやすくなります。

出典：『ゴルフ当たる！飛ばせる！スウィング解剖図鑑 イラストでわかる身体とクラブの正確な使い方』著/奥嶋誠昭

【レッスンプロ情報】
●奥嶋誠昭
1980年生まれ。ツアープロコーチ。アマチュアゴルファーからツアープロまで最先端機器を使ったバイオメカニクス（動作のコツを解析する）をもとに、ゴルファーの要望に合ったスイングづくりに定評がある。JGTOツアープレーヤー。2020―2021年国内女子ツアー賞金王、東京五輪銀メダリストの稲見萌寧など、数多くのトッププロ選手の指導実績を持つ。

【書誌情報】
『ゴルフ 当たる！ 飛ばせる！スウィング解剖図鑑 イラストでわかる身体とクラブの正確な使い方』
著者：奥嶋誠昭

スウィングづくりやスウィングレッスンをテーマとする多くのゴルフ書は、写真、動画などの映像を使ってスウィング時の身体の動きを解説する。 その見せ方では、手や足、身体の動きや動かし方は表現できても、例えば「インパクトを感じる手の感覚」「インパクト時の足の感覚」といった、スウィング時の身体が感じる感覚までは伝えづらい。そこで本書では、スウィングで体感する手や足の感覚をイラストでできる限り具体化し、読者にその感覚をつかんでもらい、スウィングづくりの向上を目指す。著者は、スウィングの解析システムを駆使し、プロ、アマ問わず多くのゴルファーのスウィングを分析している奥嶋誠昭プロ。同プロ独自のスウィング動作をイラストを通して解剖、図解化し、ゴルフスウィングの上達に役立てる。