つくば・谷田部陣場西遺跡 親子で遺跡発掘体験 茨城県教育財団 ラーケーション活用

縄文土器や土師器などの破片を掘り起こした参加者ら=つくば市谷田部

茨城県教育財団は11日、縄文時代と古墳時代の複合遺跡「谷田部陣場西遺跡」(同県つくば市谷田部)で、初めてラーケーション制度を活用した発掘体験会を開催した。小学生や保護者ら7人が参加し、縄文土器や土師(はじ)器の破片などを掘り起こした。ラーケーションは児童生徒が校外での体験活動を企画し、平日に保護者等と活動できる機会を確保できるよう、年間最大5日間、登校しなくても欠席とならない制度。県内では本年度から始まった。

遺跡は同市南西部の谷田川と西谷田川に挟まれた、標高約22メートルの台地にある。現在、発掘調査を実施中で、これまでに縄文時代の竪穴建物跡や土坑群、古墳時代の竪穴建物跡などが確認された。出土した土器の形や模様などの特徴からは他の地域の影響を受けた痕跡が見つかり、縄文人が広く交流していたことがうかがえるという。

体験会では、財団の担当者が冒頭、参加者に時代背景などを解説しながら作業について説明。その後、古墳時代中期-同後期のものとみられる竪穴建物跡約16平方メートルを慎重に掘り進めた。手に持つスコップの先に何かの物が当たるたびに、遺物かどうかを慎重に確認した。

汗を流し黙々と掘り進める参加者が「あっ」と声を上げた。すると土の中からはっきりと模様のある土器の欠片が現れた。この日は、縄文土器や土師器の欠片などが見つかった。参加した同県つくばみらい市、小学3年、村松慎一郎さん(8)は「自分で掘ることができてすごく楽しかった」と感想を述べ、母親は「平日に子どもと一緒に学べて楽しかった」と話した。

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