サイバー攻撃で配信断念は「屈するみたいで非常に嫌」、YouTube・Xで決行 ニコニコ動画にエール続々

大規模サイバー攻撃を受け、ニコニコ動画やニコニコ生放送をはじめとするサービスが利用できない状況が続いている。

こうした中、2024年6月11日に公式生放送番組「月刊ニコニコインフォ 第32号」がYouTubeとXで配信された。

「急きょYouTubeライブでの配信に切り替えて、皆さんとお話しする場を用意」

親会社のKADOKAWAによると、6月8日未明から、同社グループの複数サーバーにアクセスできない障害が発生。これを受け、データ保全のため関連するサーバーをシャットダウンした。8日以降、同社公式サイトやニコニコ動画などで影響が出ている。

10日には、今後の対応について「サイバー攻撃の影響を受けずにニコニコのシステム全体を再構築をするための対応を進めている」と明かした。

サイバー攻撃を受け、6月10日~6月16日の番組は中止ないし延期する予定だとしていた。

こうした中、11日にニコニコサービスの旗艦番組「月刊ニコニコインフォ 第32号」が配信された。同番組はニコニコで起こっている「面白いもの・楽しいもの」など、ニコニコの今を視聴者と共有する番組だ。

これまで「ニコニコ生放送」にて放送されてきたが、11日の放送はYouTubeとXの生配信機能を通じて行われた。生配信には「※6/10(月)に公式より発表された内容以外の新情報はございません」との注意書きがあるものの、多くのユーザーが番組を視聴し、コメントを残している。

番組冒頭、MCの百花繚乱さんとニコニコ代表の栗田穣崇さんが登場すると、「月刊ニコニコインフォ! 略して?」の掛け声に合わせ、「月ニコ?!」と片手を上に上げるお馴染みの挨拶を行った。

栗田さんはYouTubeでの配信に至った理由について、「現在ニコニコは大規模なサイバー攻撃の影響によって関連サービスを一時的に停止しているため、残念ながらニコニコ生放送も放送できなくなっている。急きょYouTubeライブでの配信に切り替えて、皆さんとお話しする場を用意した」と説明した。

現在も対応に追われているものの、「サイバー攻撃で(番組が)できなくなるというのは、なんかそれに屈するみたいで非常に嫌だと。せっかくね、ユーザーの皆さんと交流する場なので」として配信を決行したとした。

栗田さんはユーザーらからの応援の声が現場の励みになっているとして、「社員及び関係者を代表して、皆さんにお礼を申し上げます。本当にありがとうございます」と頭を下げた。

「笑える状況ではないけれど、みんなの一体感がすごくあったかくてある意味楽しい」

社内からは「月ニコ」の配信を中止するべきではないかとの声もあがったが、「何としてでも皆さんにお礼と、感謝の気持ちをお伝えしたいと。やはりこの非常時ですから、なんとしてでもニコニコユーザーで集まる場を作りたいと思ったので、プラットフォームを変えて放送できるように手配してもらいました」とした。

YouTube配信では、ニコニコ動画やニコニコ生放送と同じように、生放送中に寄せられた視聴者からのコメントが動画に表示されるようになっている。放送中は応援や励ましのコメントが相次いでいた。

栗田さんは、ニコニコユーザーからの応援の声を受け「こんな困難な状況の中でも、たくさんのユーザーの皆さんから応援、そして励ましの声をいただいていることが、社員一同何よりも励みになっております。重ねて本当にありがとうございます」と感謝を述べ、Xで拡散されている「#がんばれニコニコ運営」のハッシュタグに多くの社員が励まされていると語った。

サービスの復旧に向け、「過去に事例がないほどの大きな困難に直面しているニコニコなんですけれども、皆さんの応援を力にしながら乗り越えていこうと思いますので、引き続きよろしくお願いします」とした。

視聴者からは、応援のメッセージが多く寄せられている。視聴者同士がコメントでコミュニケーションをとりながら、現場の声を聞くという「ニコニコ」らしい生配信に、改めてニコニコ愛を感じたとする声も多い。

「俺、ニコニコがいないと寂しいよ... 倒れない程度にがんばってくれ」
「今まで様々な苦難を乗り越えて来たニコニコ動画は必ず復活すると信じている がんばれニコニコ運営!!!!!」
「笑える状況ではないけれど、みんなの一体感がすごくあったかくてある意味楽しい。でもニコニコがないとやっぱりさみしいわ。運営がんばって!!」

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