白昼のスーパーでの凶行 高齢女性を刺した容疑者の男とは 地元では不安広がる 【大分発】

大分県日田市の商業施設で客の女性が刺されて死亡した事件で12日、警察は容疑者の男を殺人の疑いで送検した。使った凶器は小型のナイフとみられている。
白昼のスーパーで、何があったのか事件を振り返る。

事件が起きたのは多くの客が訪れていた昼間のスーパー

この事件は、10日午前に日田市中心部にある「イオン日田店」で日田市求来里の日野初美さん84歳が首を刃物で刺され、その後死亡したもので、死因は失血死だった。
警察は店内にいた市内に住む白土正博容疑者56歳(事件当時55歳)を殺人未遂の疑いで現行犯逮捕した。

「客の女性が刺された」などと通報 女性はエスカレーター前に倒れていた

規制線が張られた地元のスーパー。毎日多くの客が訪れる場所が一転、殺人事件の現場に。

警察などによると、10日午前11時30分ごろ「客の女性が刺された」などと通報があった。
警察が駆け付けると、店内には容疑者とみられる男の姿が。近くには刃物が落ちていたという。
その後、白土容疑者は逮捕された。目撃者によると白土容疑者は「放心状態のようにみえた」という。

容疑者の男は「有名なクレーマーだった」という声も

店内にいた男性は「女性の方が横たわっていて、段ボールの上に寝かされていた。 血みどろで」「(容疑者の男は)近所の人に聞いたら、けっこう有名ないろんな店でいつも文句言っているような有名なクレーマーだったって聞いた」と話した。

また同じく店内にいた別の男性は「現場は騒然とした感じでたくさんの人が取り囲んで見ているような状態だった」「ちょっとヨレヨレのTシャツを着ていて、背格好の大きい人だなという感じだった」と当時の様子を振り返った。

容疑者と被害者に面識があったのか 警察は明らかにせず

警察は白土容疑者の認否や2人に面識があったかどうかについて明らかにしていない。

当時店内にいた人によると、白土容疑者は女性が倒れていたエスカレーターのそばにある寝具などが売られている場所付近で取り押さえられたという。

また別の人によると、白土容疑者と亡くなった日野さんは店で良く見かける顔だったという。

自宅では家宅捜索 近所では以前からトラブル

発生から翌日の11日午後、次々と白土容疑者の自宅に入っていく捜査員たち。家宅捜索が始まった。約2時間後、捜査員たちは押収品を車に積み込み持ち帰っていた。

白土容疑者の自宅そばに住む人は「誰とでもケンカいていた。近所の人でも私たちでも生活するが、ホースの音とか何でも物音がしてでも、水を流したらうるさいとか近所迷惑とか怒鳴り込んでくるような人」と、近所でもたびたびトラブルを起こしていたと話した。

事件現場には献花台

事件が起きたイオン日田店では、当日は臨時休業したが11日から営業を再開している。入り口には献花台が設けられていて、花がたむけられていた。店では従業員を増やして警備を強化し営業を再開。馴染みの店での凶行に地元では不安が広がっている。

買い物客は「まず信じられないのと、人を見たら警戒する。今まではそうでもなかったが、警戒する」と話した。

12日、警察は容疑を殺人に切り替えて白土容疑者を送検。買い物に訪れていた日野さんはなぜ殺害されなければならなかったのか。事件の真相解明が待たれる。

(テレビ大分)

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