「南極でもスマホは使えます」沖縄市出身の観測隊員、昭和基地から同市の小学校に生中継 自然現象や生活の話に興味津々

南極の話を熱心に聞く安慶田小学校の児童=6日、沖縄市立・同校体育館

 【沖縄】国立極地研究所(東京)の「南極教室」が6日、沖縄市立安慶田小学校(川根智恵美校長)で開かれた。第65次南極地域観測隊として南極の昭和基地に派遣されている同市出身の屋良朝之さん(31)が、同小4~6年生約200人に現地から生中継で南極の不思議や魅力を伝えた。(中部報道部・比嘉大熙)

 南極教室は、南極地域観測事業の周知や自然科学興味を持ってもらうことを目的に2004年から開かれている。日本から1万4千キロ離れている昭和基地と日本の小学校をつないでいる。 多くの応募の中から今回、隊員の屋良さんが同市出身で親戚が同小に通っていることから安慶田小が選ばれた。

 屋良さんはオーロラやブリザードなど南極での自然現象や平均気温マイナス10度での生活について説明。事前に集めた質問に答えるコーナーでは「なぜ南極は寒いのか?」と聞かれ、「富士山よりも標高が高く、表面が分厚い氷に覆われているから」と回答。「スマホは使えますか?」という質問には実際にLINEを送って使っている様子を見せた。普段聞けない南極の話に児童は興味津々の様子で聞き入った。

 6年の町田宗士さん(12)は「氷がない時期もあると知って驚いた。いつか南極でオーロラを見てみたい」と目を輝かせた。

 與古田徹教頭(47)は「普段知ることができない南極の様子を知ることができる貴重な機会になった。これを機に子どもたちが自然科学に興味を持ってくれたらうれしい」と話した。

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