菅義偉前首相 日本版ライドシェア実施に合わせ「新法欠かせない」

菅義偉前首相

菅義偉前首相は12日に国会内で開かれた「令和6年度活力ある地方を創る首長の会総会」で特別講演を行った。

会場に集まった多くの出席者から大きな拍手で迎えられた菅氏は開口一番、「入ってきてビックリしました。こんなに歓迎されたのは何年ぶりかなと。最高顧問にならなくてよかった」とジョークを飛ばして本題に入った。

個人が自家用車を使って有償で客を送迎する「日本版ライドシェア」は一部の自治体で始まっている。ライドシェアはタクシー業者が運行を管理し、スマートフォンのアプリを使って配車を依頼するものだ。

「みなさんが一致してライドシェアをやり遂げたい、そうした雰囲気がひしひしと感じられる。本当に出席してよかったと思います」と話した菅氏は、4月から一部地域で限定的に解禁されたライドシェアについてこう説いた。

「かなり大胆に規制が撤廃されていますので、地域の実情に合わせた自由な制度設計がこれから可能だと思っています。私自身はタクシー会社だけでなく、いろんな自治体が参画することができるようにすべきだと思います。ライドシェアを網羅的に取り組んでいく、ライドシェア新法というものが、これから私は必要になってくると思います」

日本に来る外国人の数は昨年が2500万人、消費額は5兆3000億円に上った。今年の外国人はさらに1000万人増えて3500万人前後になると見込まれている。

菅氏は「消費額が長期滞在者、お金を使ってくれる方が去年より一気に増えたんです。コロナ禍の時は最高で3200万人でした。その時の消費額は4兆8000億円。去年は2500万人でしたけども、コロナ禍よりも5000億円増えて5兆3000億円になりました。アジア、ヨーロッパ、北米からの観光客が増えている。そうしたなかで移動の確保は去年と1000万人違うわけです。そうしたことを考えると、地方の足は車が必要です。そのためにもライドシェア新法が欠かせないと考えています。乗る人が多くなりますから、タクシーと共存共栄ができるというふうに思います」と訴えた。

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