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ウクライナ北東部の都市ハルキウのイホル・テレホフ市長は11日、同市を砲撃していたロシアのミサイル発射基地を、ウクライナが砲撃したと述べた。その攻撃以降、同市の状況は「落ち着いている」という。
テレホフ氏は、ウォロディミル・ゼレンスキー大統領も出席したドイツでの会議の場で発言した。この会議は、ウクライナへの支持と投資を欧州各国に働きかけるもの。
テレホフ氏は、ハルキウ市への砲撃はここ2日間で回数が増えていたが、おおむね落ち着いたと説明。「砲撃がおさまったのは、ハルキウを砲撃していた機材に命中したことと関連があると思う」とロイター通信に話した。
「5月と比べると、日曜日(9日)までの1週間は多少なりとも平穏だった。(中略)それで少し落ち着いてはいるが、完全に静かになったとは言えない」
ウクライナがハルキウ市に近いロシア国内の標的を攻撃することについては、アメリカや他の西側諸国が2週間ほど前にゴーサインを出している。
ハルキウ州では5月以降、ロシアによる越境攻撃が続いている。ロシア国防省は、同州と東部ルハンスク州で新たに二つの村を掌握したと発表した。
ウクライナはこれについて、コメントを出していない。ゼレンスキー氏は10日、ウクライナはハルキウ州で「反撃」を続けていると述べた。
ゼレンスキー氏が独議会で初演説
ゼレンスキー氏は11日、ドイツ連邦議会で初めて演説をした。冷戦時代のドイツの分断の歴史について感情に訴えかける言葉を述べるとともに、ロシアがもたらした損害についてウクライナが将来的に補償を受けられるよう訴えた。
「私たちはこの戦争を終わらせる。私たち全員と、欧州全体の利益のためだ。私たちの条件に従って、この戦争を終わらせる」とゼレンスキー氏は主張。
「ウクライナを分断しようとするロシアの企てに、なぜ私たちがこれほど懸命に戦っているのか、分かってもらえるだろう。なぜ私たちが全力を尽くして、国内の一部に壁を作らせないようにしているのかも」と、ベルリンの壁を引き合いに出しながら述べた。
ゼレンスキー氏はまた、9日開票の欧州議会選で極右政党が躍進したのをふまえ、親ロシア的な言説は欧州連合(EU)にとって危険だと警告した。極右政党には親ロシア派もいる。
演説を聞いていた議員らは総立ちして拍手を送ったが、今回の選挙で議席を大きく伸ばした極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」と極左政党「ザーラ・ヴァーゲンクネヒト同盟(BSW)」の議員らは議場にいなかった。AfDは「戦争大統領」のゼレンスキー氏への抗議だと説明。BSWはウクライナへの武器供与に反対している。
ドイツのオラフ・ショルツ首相は11日、ウクライナへの支援として「パトリオット」などの防空システムとミサイルを追加供与すると述べた。