桂ざこばさんは「ホントに優しい師匠、男気もある」 後輩芸人が涙ながらに追悼「悲しいですわ」

落語家・桂ざこばさん【写真:産経新聞社】

シャンプーハット・てつじが目を潤ませる

上方の落語家・桂ざこばさんが12日、喘息のため76歳で死去した。同日、MBS『よんチャンTV』(月~金曜午後3時40分)で速報すると、出演者が涙ながらに追悼した。

水曜レギュラーを務めるお笑いコンビ・シャンプーハットのてつじは「よく一緒に仕事さしてもらいましたよ。ホントにテレビでこうやってしゃべるときって、自分の感情をやっぱり抑えたりするんですけど、(ざこばさんは)感情むき出しに感動したときは泣くし、あかんことあったら怒るし。そういう、なんか……、なんか……一緒に仕事してて、楽しいっていう言い方はあれですけど、勉強になった」と目を潤ませ、時折り、言葉に詰まった。

「テレビでなかなか感情むき出しにする時代じゃなくなってきたんですけども……。いやもう悲しいですわ」と言うと、「復帰してから一緒に仕事したいなって待ってたとこの訃報やったんで、いろいろ勉強さしてもらいました」と寂しさを隠さなかった。

相方の恋さんは「番組でもホンマに勉強になるし、僕ら絡んでたんは20代の若手の頃でしたけど、それを下に見ることもなく」と故人の人柄を明かすと、「よく、(故やしき)たかじんさんとざこば師匠が飲んでる場に呼んでいただいて、ざこば師匠がすごいのはね、僕らよりたかじんさんにダメ出ししたり。たかじんさんに言える人って、ざこば師匠しかいないと思います」とエピソードを披露。

また、「記憶に新しいのは、ざこば師匠にコンビで呼んでもらって、たかじんさんいて、円広志さんいて、5人で飲んでるときに、てつじがざこば師匠にメチャクチャ怒られるってことが(あって)」と告白。てつじは「“ざこばさん”と呼んでて、“何で君はざこば師匠と呼ばないんや”っていう。そのときに“僕は(ざこば師匠の)お弟子さんじゃないんで、師匠って呼びにくいんですよ”って言ったら、ざこば師匠が“お笑いにおったら、オレは君たちがお弟子さん、後輩やと思ってるから、師匠って呼べばいい”って言うて」と経緯を説明した。

恋さんは後日、コンビでざこば師匠のもとへ謝罪に行ったと明かし、「(その後から)めちゃくちゃお声がけしてくれるようになって、番組内でもめっちゃ絡んでくれるようになって。ホンマに1個のカベを取り払ってくれて、そこからはホントに優しい師匠、男気もあるし。いろんな意味で芸的にも、人間的にもすごい勉強さしていただきました」と感謝していた。

ざこばさんは大阪市出身で1963年に桂米朝さんに弟子入り。喜怒哀楽の激しい、やんちゃなキャラクターで親しまれた。2017年に脳梗塞で倒れたが、復帰を果たしていた。ENCOUNT編集部

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