万博期間のタクシー不足対策、ライドシェア運転手に若者興味

タクシー事業やライドシェア事業をおこなう「newmo」(本社:東京都港区)が、大阪でライドシェアドライバーの募集を5月31日からスタート。6月10日に大阪市内で記者発表会とドライバー向けの説明会がおこなわれ、ドライバー希望者が集まった。

10日に開かれた「newmo」説明会の様子

タクシーやバス、荷物の運搬など、さまざまな分野におけるドライバー不足が問題となっている昨今。タクシー業界においては、この15年間で約42万人いたドライバーが約26万人、割合にして約4割ものドライバーが減少するなどドライバー不足が深刻になっている。

そういった背景により、2023年から国の規制緩和がおこなわれ、一般ドライバーが自家用車で乗客を有償で運ぶサービス「ライドシェア」制度の整備が日々進んでおり、国内でも一部地域でサービスがスタートしている。

大阪ではインバウンド旅行客の増加ですでにタクシーが捕まりにくくなっているだけでなく、来年4月に開幕を控えた『大阪・関西万博』では、大阪府の試算によれば万博期間中約2300台/日のタクシーの稼働不足が見込まれている。

「newmo」COO・野地 春菜さん(6月10日・大阪市内)

同社のCOO・野地春菜さんは、「5月31日以降、ほぼ毎日説明会を開催しており、すでに数百名の方に説明会に参加していただいています。年齢層も10〜50代と幅広く、また男女比で言うと男性の方が多いですが、隙間時間での仕事探しができる『メルカリハロ』経緯の方は若者や女性からの応募が多く見られます。大阪以外のエリアも順次拡大していきたい」と、現状を話す。

ドライバーとした採用された際に支給されるアイテム

今回の募集では、大阪市域交通圏(大阪市、堺市、豊中市、吹田市、東大阪市、八尾市)の営業区域、認可を受けた時間帯(金曜の午後4時〜8時、土曜日の午前0時〜4時、午後4時〜8時)のみ運行可能。

newmoと資本関係にある「岸交通」の有期アルバイト・パートタイムでの雇用となり、法定労働時間が40時間以下の人が対象となっている。早ければ6月中にドライバーとしてデビューする人が出てくるそうで、今年の秋に本格的な運行を目指していく。

説明会に参加した大阪市内に住む30代の女性は、「生活スタイルを変えず、隙間時間を活用できるのが魅力で説明会に参加してみました。今は会社員として働いているので、すぐにはドライバーにはなれませんが、規制が緩和されたらぜひやってみたい」と意欲を見せた。

取材・文・写真/野村真帆

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