去年、横浜市鶴見区で女子大学生を包丁で刺して殺害した罪に問われている元交際相手の男の裁判。
被害者の父親が法廷で、「娘に悪かった点なんて何一つない」と、悲痛な胸中を語りました。
横浜市の運送業・伊藤龍稀被告23歳は、去年6月、横浜市鶴見区で元交際相手の大学1年生・冨永紗菜さんの首や胸などを包丁で刺し殺害したなどの罪に問われています。
12日の裁判では、冨永さんの父親の証人尋問が行われました。
その中で父親は、冨永さんに助けを求められ、大学までの送り迎えや別れるためのやり取りを仲介したほか、「被告人と徐々に距離を置くようにとアドバイスしていた」と証言。その理由について「被告人がカッとなって以前『殺すかもしれない』と言っていたと聞いたので、刺激しないように何とか私が間に入ろうとしていた」と述べました。
そのうえで、「娘を何回も刺し続けた被告人を許すことができないんです。 娘に悪かった点なんて何一つないんですよ」と涙ながらに語りました。
伊藤被告は、険しい表情で深く頭を下げたまま、時折目を閉じて聞いていました。
判決は今月21日に言い渡される予定です。