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青森県立中央病院と青森市民病院の統合新病院についてです。セントラルパークに整備する場合、青森市は、車道の幅を確保するため歩道を削る考えがあることが分かりました。
統合新病院整備の候補地となっている、青い森セントラルパークに面する桂木地区。
セントラルパーク沿いと桂木地区を南北に走る主要な道路は、車道の幅がおよそ7メートル。渋滞対策や救急車両の走行経路確保のためには、車道の幅を9メートルに広げなくてはいけません。
【青森市議会 中村美津緒議員】
「用地の取得をせずして、道路の幅を9メートルにした場合、どこを削るんですか?」
【青森市民病院 奈良英文事務局長】
「車道幅が7.5メートル、歩道が約3.75メートル、車道を確保した場合は歩道の部分を一部削る・・・」
車道の幅を確保するために、歩道を削る考えがあることを示しました。
桂木3丁目と4丁目の間を南北に走る道路には、地区名「桂木」のシンボルでもあるカツラの木が植えられていますが、歩道を削ることになると木が抜かれてしまう可能性も考えられます。
そして、統合新病院の建設地の選定の参考としている市の調査データに、青森市議が異議を唱えました。
青森市議会の一般質問。中村美津緒議員は、青い森セントラルパークを有力候補とする理由の一つとして、市が提示した「救急車到達圏人口」のデータについて、異議を唱えました。
【青森市議会 中村美津緒議員】
「救急車到達圏人口の資料の再検証、しっかりと2次医療、3次医療に提示できる、参考にできる資料をもう一度出すべきと要求いたします」
「救急車到達圏人口」とは、救急車を使って病院まで一定時間内で到達できる人数のことです。
市は「青い森セントラルパーク」の場合、病院まで5分以内でおよそ7万8000人、10分以内でおよそ18万2000人と、ほかの候補地に比べて多いという調査結果を提示していました。
それに対し、中村議員の主張はこうです。
市が提示した資料と同じ条件で、実際に2つのルートで車を走らせたところ、セントラルパークから5分で到達した場所が、ニッセイ青森センタービルと県民福祉プラザ。
市の資料が示す5分圏内の端まで到達しませんでした。
また、10分で到達した場所はラーメン店の札幌館と浪打歩道橋。
こちらも市の資料が示す10分圏内の端まではたどり着かず。
これまでの議論の根拠ともなっていた「救急車到達圏人口」が、正確なものかどうか再検証を求めました。
その「救急車到達圏人口」を基に、国道7号環状線沿いの外環状線周辺エリアへの建設も議論されています。
交通アクセスが良いこのエリアについて、7日、青森市民病院は「公有地を見出す余地はない」と市の考えを示しました。
一方で、道路交通に関する専門家からは10日、冬期間の積雪路面状況も踏まえ「セントラルパークは整備すべき場所ではない」という見解が示されました。
【道路交通に関する専門家 葛西章史さん】
「道路交通に関する専門家でいうと、病院は別々の方が良いのではないですかね」
ベストな場所がないのであれば、基本方針を見直すべきとしました。
様々な意見がある中、県民と市民にとって有益な答えを導き出せるのか。
有識者会議は8月上旬をめどに、整備場所の方向性を示す方針です。