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松本市の梓川小学校6年4組の子どもたちがこの春から長編映画の製作に取り組んでいます。笑いと涙、そして目玉のアクション。担任は、令和の金八先生。
「その通り!勝機はあります」「よし裏切り者を探そう」
梓川小学校6年4組。
「盗賊の一味なんてあてにならない」
出演から撮影、照明などなど…、全員参加、全員主役の映画作りです。37人のクラスメート。そして…。
長い髪がトレードマーク。
梓川小6年4組担任 麻和正志教諭
「オーケー!オーケー!!」
担任の、熱血・麻和先生です。5年生の時に制作した映画はまつもと市民芸術館ほか4会場で上映され、大ヒット!
今年は一体どんな作品に…?
37人の仲間たちと麻和先生クランクインです!
映画作りは週に2~3時間、総合学習の授業です。
どんな映画作りをしたいか。キーワードを出し合います。
「うれしい」
「笑顔」
ストーリーや役決め、演出もみんなで考えます。
ただ一つ…。機材が必要で時間がかかる編集だけは冬休み返上で麻和先生がやっています。
5年の時に作った52分の映画はまつもと市民芸術館の主ホールで上映会も。タイトルは「魔弓の伝説」。
「わぁすごいそれが梓弓か!セレネかっこいい」「ありがとうメル」
メルの親友、セレネは梓巫女で、梓弓の使い手。そのセレネが悪の組織に狙われ、突然、姿を消します。メルは魔法の書を手に入れ、親友セレネを救うため過去にタイムスリップ。悪の組織に立ち向かう―――というストーリー。笑いと涙、アクションありの友情物語です。
この日は脚本案の読み合わせ。
麻和先生
「みんなが考えたものを(とりあえず)入れてみました」
「八面大王をかような姿にした安曇族」
かつて、安曇地方を支配していた盗賊集団の八面大王。1000年の時がたち、姿かたちをかえた八面大王が再び襲い掛かってくる―――。物語の中で本の大切さを説いています。
チーフプロデューサー 伊藤渉君
「提案ありますか?提案」
授業で学んだ地域の歴史や史跡、伝説が盛り込まれているのもポイントです。
みんなで決めた今年のキャッチフレーズです。
麻和先生
「あーでもないこーでもないとそういやってコミュニケーションを取りながら作っていく。こういう活動をしていることによって寄せ合っていこうというのがいいなって。みんなで協力し合えば何かできるんだっていうことを糧としてもらいたい」
麻和先生
「試しだよ、これで決定じゃないよ」
この日、やってみたい役の事前ヒアリング。
山﨑君。そのかっこうに憧れ、どうしてもやりたい役がありました。その役は…。
麻和先生
「次郎さん」
いつも工事現場の格好をしている次郎。主人公のサポート役です。
山﨑透真君
「劇の時に工事現場の服を作ってやりたいなと思って」
この日の職員研修では去年作った映画が上映されました。
映画作りのこの活動について油井教頭は…。
油井幸樹教頭
「子どもが主体子どもが主体ってよく聞きません?気をつけなきゃいけないのは子供が全部決めたのは主体性じゃないよって授業は。教師もその主体であるっていうことを忘れちゃいけない、だから教師も子供と一緒になってやる、まさに麻和先生そうですよね。僕ね麻和先生が全部自分で決めているのかなと思ったらそうじゃない、クラス全員の願いを聞いてどうやったらその合意が図れるかっていうことを子どもの思いに寄り添いながらシナリオ作っているんです。それがやっぱり麻和先生が子供とともに作る先生なんだなって」
伊藤君
「参観日の時のようにしてください」
いよいよオーディションの日。
決め方も自分たちで。
伊藤君
「その役が一人だけだったらその人に」
伊藤君
「由比輝(ゆうひてる)やりたい人は手を挙げて下さい」
由比輝は、雷を操る〝少女”
麻和先生「松田君手を挙げているの!?」
うっかり松田君…間違えて手挙げちゃった…
そんな松田君のおっちょこちょいで、オーディションは和やかなムードに…。
本番さながら、迫真の演技。
「今もそうよ」
「やめなさい!」
このクラス、いつもにぎやかです。
工事現場のかっこう、次郎役を熱望するあの山﨑君。
山﨑君「(次郎)はいはいはいはい」
伊藤君「推薦いますか?」
ほかになし!次郎、決定っ!!
希望が叶った子も、そうでなかった子も…。でも大丈夫。出演と制作それぞれ1人、2役3役。みんなそれぞれに役割がある―――。
監督 細田歩君
「みんなその役にあった人でいいと思う」
映画「八面大王の逆襲」がクランクイン。チーフプロデューサーからは演技指導も。
伊藤君「納得するうんうんとか…」
山崎君、さまになってるっ37人の子ども達と麻和先生。完成は来年の冬。みんなの卒業祝いです。
麻和先生はこれまで赴任した5校でのべ22年間、映画作りを続けているそうです。梓川小学校でもその取り組みが広がり去年は5つのクラスがチャレンジしています。