大河ドラマ「光る君へ」第24回・忘れえぬ人

女優・吉高由里子が主演を務め、平安時代に長編小説『源氏物語』を生み出した女流作家・紫式部(ドラマでの名前はまひろ)の生涯を描く大河ドラマ『光る君へ』(NHK)。「忘れえぬ人」と題する第24回(6月16日放送)では、宣孝から求婚されたまひろが、さらには周明からも一緒に宋の国へ行こうと誘われる。

口付けをしようとする周明(松下洸平)を手で遮るまひろ(吉高由里子)(C)NHK

■ 交流を深めるまひろと周明…前回のあらすじ

まひろ(吉高由里子)の父・為時(岸谷五朗)が越前国府へ赴任してまもなく、敦賀の松原客館で宋人との通訳を務めていた三国(安井純平)が殺害される。宋の医師・周明(松下洸平)は、その犯人として捕えられた朱(浩歌)の無実を証明しようと証人を連れて現れ、為時の前で朱は冤罪であると日本語で訴える。

三国は、宋と商いをしたいと考える越前国武生の商人・早成(金子岳憲)と揉め事になった末に命を落としていた。それを目撃した下人が越前介の源光雅(玉置孝匡)に報告すると、光雅からは三国を殺したのは朱だと証言するように脅されたのだという。光雅は、朝廷と越前のためを思ってのことだと弁明し、宋に朝廷と直接商いをさせれれば朝廷が損害を被るだろうと考え、この機に朱の力を奪おうとしたという。

為時は光雅の懸念を聞き入れた上で朱を解き放つように命じ、周明に通事をさせて朱と話をする。すると、朱は宋の朝廷から密命を受けた官人であり、宋と日本との交易を図るよう命じられていると真実を明かす。そして果たさねば国へ戻れないため、越前を足がかりに宋と日本で商いが行えるよう為時に懇願するが、朝廷は宋との正式な交易には応じなかった。

一方で、まひろは周明がなぜ流暢に日本語を話せるのか興味を抱いていた。周明の生まれは対馬であり、父親に口減らしのため海へ捨てられたところを宋の船に拾われたのだという。まひろは周明に宋の言葉を教わるようになり、やがて2人は親しくなっていく。

そんな折、為時の友人である藤原宣孝(佐々木蔵之介)がまひろと為時を訪ねて越前へやってくる。しばらく越前に滞在したのちに、都へ戻る別れ際、宣孝はまひろに「わしの妻になれ」と告げるのだった。

■ 第24回「忘れえぬ人」あらすじ

宣孝から「わしの妻になれ」と求婚され、驚愕するまひろ。宣孝はまひろが周明を通じて宋への憧れを強めていることや、まひろの胸の内に忘れえぬ人である道長(柄本佑)の存在があると見抜いている様子で、それでもまひろを丸ごと受け入れるという。さらには周明からも、朝廷が宋との交易を許した暁には一緒に宋の国へ行こうと誘われ、まひろの心は揺れ動く。

一方、内裏では定子(高畑充希)が一条天皇の姫皇子を出産し、一条天皇(塩野瑛久)は出家して会うことのできない定子と姫皇子への想いをますます募らせていた。一条天皇の母である詮子(吉田羊)は、帝の願いを叶えてあげてほしいと懇願する。道長は今後の対応を行成(渡辺大知)に相談し、行成の案で一条天皇と定子は内裏の外で会えることとなったのだが・・・。

本作は、日本最古の女性文学『源氏物語』の作者である紫式部が、秘めた情熱と想像力、そして生涯心を寄せる相手となる藤原道長への想いを原動力に、変わりゆく世を懸命に生き抜いていく愛の物語。放送は、NHK総合で毎週日曜・夜8時から、NHKBSは夕方6時から、BSP4Kでは昼12時15分からスタート。

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